61 / 275

探索 10

 でも、もう限界だった。  イきたい  イきたい。  前に触ってくれないから、イけない。  自分でしようとした指はガキに捕まって、その指も舐められしゃぶられ、僕はまた前から零してしまう。  何でコイツの舌は・・・こんなに優しいんだ。  「イかせろ」  僕はヤケクソになって叫んだ。    「意地悪したいわけじゃないんだ・・・ごめん。どうしても、ここで気持ち良くなって欲しいんだ」  ガキが優しく言って指が穴を撫でた。  指が浅くめり込まされた。  その感触に震えた。  ガキは僕にのしかかり、僕を片腕で抱きしめた。  抱きしめていない方の指がゆっくりとはいってくる。  僕はその感触を楽しんだ。  そうだ  楽しんだ。    指がめり込む感覚もその形も。  「はっ」  声か出てしまう。  指が動く。  どうされるとどう感じるのかを自分で知っているからこそ、いやらしい指が僕の中で優しく動く。  僕の中の良い場所は直ぐに見つけられ、優しく擦られた。         「あっ・・・あっ・・・」  ただ口を抑え耐える。  ガキの胸に顔をすりつけ、身悶える。  「あんたの中だ。熱い・・・あんたの中だ、ここが」  ガキが自分のモノがはいっているかのように興奮している。    指がそこをかき混ぜていく。  気持ちいい。   気持ちいい。     擦られる度に感じた。  もう少し奥の気持ち良いとこも擦られゾクゾクした。  溶けたバターみたいになっている。  熱い、気持ちいい。  「顔みせて・・・」  優しくせがまれる。  僕はガキの胸に顔を押し付けたまま首をふる。  嫌だ。  こんな顔見せれるか!!  顔を押し付けたので、ガキの胸がまた厚くなっているのを知るはめになってしまった。  ・・・お前マジで何になる気?  マジで犬みたいなゴリラになる気?  でも、すがりつくにはちょうど良かった。  ガキの胸に顔をおしつけ、手で口を覆い、声を殺す。    ガキの指は優しくて、でも容赦なかった。  ただその手に震え、声を殺す。  「・・・可愛すぎんだろ・・・これ。ヤバい」  ガキの呻き声がきこえた。  髪をくしゃくしゃにされる。  腹に当たってるガキのものが、さらにデカくなったのがわかる。    お前、後で、後で覚えておけよ。  絶対泣かす。   泣いても止めてやらないからな。  「あっ!!」  指が増やされ、強く擦られた。  もう蕩けてるそこが甘すぎて、僕は震えたままだ。   ガキに強引に上を向かされた。  顔を覆う手も除けられる。    嫌がる顔を覗き込まれた。  「・・・嘘だろ・・・あんたなんて顔してんだ」  ガキが苦しそうに呟いた。  お前こそ、なんて顔してる。  そんな顔は知らない。  知らない雄の顔だ。  欲しがってる雄の顔だ。  僕はそうそう怖いなんて思ったこと無いが、今お前が怖い。    ホントに怖い。  「鬼畜なあんたのそんな顔・・・俺だけしか知らないんだ・・・」  ガキが笑う。    僕は怖い。  お前が怖い。  「・・・俺のだ!!」  ガキが嬉しそうに言った。  強くこすりあげられた。    「俺だけの!!」  ガキの声は震えていた。  口が塞がれ、深く口づけられた。    「!!」  僕は身体を震わせて、熱いものを迸らせながらガキにしがみついた。   腰が抜けるほど気持ちよかった。  ガキは本当に嬉しそうに僕を抱きしめていた。  でも指を抜いてくれない。  怖い怖い。  指を抜いて、そこから抜いて。  「何で駄目なんだ、何で?あんたここでも気持ち良くなれるのに」  ガキがごねだした。  またそこで動かしながら。  イったばかりで敏感な身体にはそれがキツいって知ってるくせに。  「嫌だ。もう終わりだ・・・」  僕は震えながら言う。  「何で駄目なんだよ・・・」  ガキがつらそうに、言う。  辛いはずだ。  ガキはまだイってない。  「気持ちいいだろ?」  ガキの指がまた動いた。  僕の腰が迎え入れるように動く。  「・・・んっ」  僕は指を味わってしまう。  迎えいれ、こすりつけてしまう。  「中もきゅんきゅん締めてくるし、自分から動いてるだろ、あんた。なんで俺があんたに入るの、嫌がるの?・・・俺が嫌い?」  ガキが僕を強く抱きしめながら言った。  挿れたい、と固くなったものを腹に押し付けられる。    熱いそれ。  太いそれ。  とろけた穴がひくつく。  指が気持ちいい。  これが入ったらもっと気持ちいいだろう。  怖い。    ガキが怖い。  「・・・ここでよくなれるのは知ってるからだ。だから嫌なんだ!!僕はここを使ってすることを求められてきたんだ!!だから絶対にここではしないって決めたんだ!!」  僕は怒鳴った。  教えてやるつもりはなかったことを。  僕は昔のことは覚えて無い。  でも、自分が何なのかは知っている。  品種改良されたセックス用の愛玩道具。  生きた人形。  そのために生まれた。  そうなるはずだった。  そして、良く覚えていないがそうなるのが嫌で、たくさん殺して逃げようとした。  見事に沢山殺したから、今度は殺人用に飼われた。  そう聞かされたし、そうなのだろう。  僕がセックス用の愛玩道具だったことを知っているヤツはもういない。  ボスを含めて全員殺したからだ。     そこまではガキに教えるつもりはない。 でも、言ってしまった。  僕は間違いなく後ろでも楽しめる。  そう作られているから。  おそらく僕がそんなものになっていたら、もっぱら使うのはそこだったはずだからだ。  だから嫌だ。  支配され、そこで喘がさせられていたかもしれないと思ってしまうから。  「僕は・・・穴じゃない」  僕は言った。  お前を穴にはしたけどな。  愛玩道具にしたけどな。    いいと思ったんだ。  人間達が僕をそんなものにしようとしたんなら、僕が人間達をそうして何が悪いのかって。  自分達がやってるんだから、僕がやりかえしてもいいって。  ガキの指は止まってた。  ガキは・・・僕が嫌がる理由が少し分かったみたいだった。    「あんたは俺の恋人だ。穴なんかじゃない」  ガキが低い声で言った。  指が抜かれた。  「・・・あんたが欲しい。でも、無理強いはしない」  ガキは静かに言った。    

ともだちにシェアしよう!