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嘘つきのメソッド 1

 可愛いかった。  俺はいつ死んでもいいとかおもってしまった。  いや、死なない。  あの人と最後までするまでは死なない。  でも、可愛かった。  思い出しただけで勃ちそうだ。  あの日、あの人は眠るまで俺に身体を任せてくれた。  正直、強引にいけばどうのこうの言っても、させてくれたんじゃないかな、とはおもう。  あの日、あの人は完全に蕩けてたし、俺の指を嫌がってなんかいなかった。  とろけきったそこは熱くて、俺の指まで溶けそうで、挿れたくて挿れたくて死にそうになった。  舌や指だけで、あんなになるあの人に、俺のを入れてガンガンに突いたらどうなるのか、奥まで開いて、こじ開けてそこをゆっくり擦ってやったらどうなるのか、俺がされてきた全部をそこでしたかった。  でも、やめた。  あの人が嫌なことはしたくない。  嘘だ。  したいよ。  死ぬほど。  でもするだけじゃ意味がないんだ。  あの人。  可愛かった。  あんなに鬼畜でサディストなあの人が、あんな可愛い顔して俺の下で喘いでるんだぞ。  俺の胸に顔隠して、声殺して、小さく震えて。  あんな顔・・・。  怖がってるみたいな、でも、とろけた上気した顔。  小さく開いた唇。  甘く漏れる声  潤んだ目が怯えたように、困ったように震えながら俺を見上げる。   それだけで射精するかと思った。  ださなかったのは、出して終わりにされるのが嫌だったからだけで、意地で頑張った。   何度、射精するのを耐えるために頭の中で1+2+3・・・・と順番に数字を足していったかわからない。  おかげで数字を見ただけであの顔を思い出して勃ちそうになる変態になってきている。  挿れなかったけど、あの人の身体を使って出したし、あの人のも出させた。  一晩中、好きにさせてくれた。  甘く乱れてくれた。  しなる白い身体、かすれる声。  俺の背中に立てる爪。  愛撫されるのはまだ慣れない震える身体。  愛しすぎた。  白い首筋に唇を何度も落とせば、落とす度にその身体は震えた。  唇を開けさせてその舌を貪り、甘く噛んだ。  その胸を何度も吸った。  尖らせた乳首の先に優しく歯を立てた。    でも優しく唇と舌でされるのが一番好きなのがわかり、そうしてあげた。  ヤらしい色に変わるまで弄り、そこだけでもイかせた。  可愛くて可愛くてたまらなかった。  いつもは喉まで突っ込まれたりするあの人のモノをしゃぶり、舐めてしごいて可愛がった。  何度でも飲んでやった。    足の指まで舐めた。   親指を吸われて達しそうになるあの人は本当に可愛くて。    あの人の太ももに挟んで擦ったり、あの人の手に出したり。  俺も 沢山出した。    「もう・・・止めろ」  あの人にそう言わせたのは俺の中では勲章だ。  たまには俺の気持ちを思い知れ。  泣きながらあの人はそう言った。  この記憶は何度でもリピートする。  でも思い出したら、あの人に烈火のごとく怒られるので、こっそり思い出すしかない。    でも、あの人が俺の腕の中て小さな寝息を立てて安心したように眠るのがすごく嬉しかった。  あの人がいつも俺にしてくれるみたいに、身体を綺麗に拭いて、パジャマ着せてあげるのも嬉しかった。  愛しくて愛しくて死にそうだった。  何度も泣きそうになった。  愛しくて泣けるって・・・知った。  寝ているあの人の髪に頬に額に、何度もそっと唇を落とした。   髪を撫でた。    あの人に甘やかされるのは好きだ。  あの人に抱かれるのも気持ちいい。  でもあの人を甘やかすのは、胸が痺れるような充足感があった。  甘やかしたい。  抱きしめたい。  どこか狂気をはらんだあの人。  俺を抱く時も、甘やかす時も、それはつきまとってはいた。  いつもブレーキの壊れた車で疾走しているような、いつまでも落ち続ける奈落にいるようなそんな気持ちがしていた。   危うくこの人にまとわりつく狂気。  でも、この腕の中にいる恋人は、初めてそれを脱ぎ捨てていた。  ここにいるのは。  この腕の中にいるのは。  俺の可愛い恋人だ。  わがままで可愛くて、いやらしい。  夢みたいだった。  ずっとこうしていたかった。  ・・・残念ながら翌日、恥ずかしかったのか、照れ隠しなのか、俺はあの人に、めちゃくちゃにされてしまったけど。  それでも、その最中に思いだしてにやけて、さらにあの人にキレられ酷くされてしまった。  それでも、あの晩のあの人は忘れないし、俺はあの人を抱くことを諦めない。  そう決意を俺は固めたのだ。

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