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念願 1

 信じられなかった。  涙が止まらなかった。  俺は子供みたいになきじゃくった。  俺が腰を動かす度にあの人は身体をしならせた。  あの人のしなやかな身体が俺の下にあった。  「俺、あんたの中にいる・・・」  俺は嬉しすぎて泣いた。   あの人の中は熱くて熱くて。  思っていた以上に、いや、とんでもなく気持ちよかった。  「あっ・・・だめっ」  あの人が喘ぐ。  俺は涙を自分で拭ってそこを味わうのに専念する。  あの人が俺にしてくれたみたいに、そこを擦る。  あの人が声もなく身体を強ばらせたので、そこが正解だったとしる。  とろり、  勃ち上がったあの人のモノから溢れ出た。  もう、オレも何度も出しているので、中で動くのは滑らかだった。  情けない話だが、最初の一回は挿れただけで・・・出した。  でも、ゴチゴチのままだったからすぐにまた動けたし。  だから、あれは無し。  無しにして    何度も夢に見たみたいにあんたを気持ち良くしてあげる。  ああ、俺に熱くここは絡みつく。  たまらない。  夢中で腰を回し味わう。  何コレ。  溶けそう。  獣みたいな叫び声が出てしまう。  駄目だ、この人を気持ち良くするんだ。  この人が気持ち良くないと。  ああ、でもこの人も気持ち良さそうだ。  綺麗な顔がこんなに乱れて。  綺麗だ。  こんなに乱れても綺麗だ。    涎や涙を俺は舐めとる。  全部俺のだ。  あの人が唇を開け、舌を自ら出す。    唇を迎えにいき絡め取る。     優しく優しくキスをする。  この人は「お前のキスは優しいな」っていつも言ってくれるから。  キスの合間にあの人は小さくイった。  何も出さないから、中だけでイったのかわかる。  掠れるような声が愛しかった。  「あんた・・・ホント可愛い」   俺は囁き震える身体を抱きしめた。  俺は大きくなったよ、あんたより。    ねぇ、俺に抱かれる方が良くない?  俺、もうあんたを甘やかしてやれるよ?  またゆっくり動く。  「・・・またイ・・・く」   あの人が怯えるような声で言った。  こうなると、何度も何度も続く。  俺は知っている。  終わらない絶頂に脳まで焼かれる。  可愛い。  可愛い。  何度も何度もあの人の身体がふるえる。    俺はあの人に何度もこうされながら、ずっと、こうしたかったんだ。  「・・・あんた、可愛い。・・・愛してる」  俺は囁いた。  一度口にしてしまうと止まらなかった。  「・・・愛してる」  俺は叫んだ。  何度も何度も叫んだ。  あの人の腰を掴んで、貪った。  抉った。   貫いた。  敏感になりすぎているあの人は、悲鳴をあげた。  判ってる、良すぎて辛いのだ。  ごめん。  もっと優しく抱いてあげたいのに。    「ごめん・・・止まれない」   でも優しいキスだけはした。  赦しを乞うように。    「後一回出したら・・・優しくするから、ごめん」  俺は呻く。  「・・・まだ、する気か」  あの人が呻く。  「うん・・・」  俺は頷く。    次に抱かせてもらえるのがいつになるのか分からない以上、このチャンスを逃すつもりはなかった。  俺に抱かれるのに慣れて・・・もう、俺に抱かれるだけになって欲しかった。  「あんたに抱かれるのも嫌いじゃない・・・好きだよ?でも、俺あんたが抱きたい」  あんたを甘やかしたい。  あんたが流す涙を舐めてやりたい。  あんたの乱れる身体を抱きしめてやりたい。  あんたの中をぎゅうぎゅうにして、あんたを狂わせてやりたい。    俺の腕の中のあんたは可愛い。  本当に可愛い。  今だけはあんたは、ただの可愛い恋人になる。   「・・・可愛い」  俺はまた突き上げてしまう。  腰が止まらない。    「・・・やだっ・・・また・・・ああっ!!」  あの人が叫ぶ。  終わらないだろ?  止まらないだろ?  全部知ってる。  あんたが俺に全部した。  知ってた?  俺、こうされる度に、全部あんたにしてやろうと思ってたんだよ。  俺、抱かれながらずっと。    ずっと。  ずっと。  あんたを抱いてた。  俺知ってるから。  どうされたらいいのか、中のどこが気持ちいいのか。  だから。  俺、あんたを気持ち良くさせてあげる。  あんたがしてくれた以上に。  あの人が狂う。  俺の腕の中で、背中に爪を立て、泣き叫び、身体を震わせ、悶える。  俺は動きを緩めた。  その代わり、腰をさらに奥に進める。  ここ。  一番奥。  ゆっくりこじ開けた。  「ひぃ」  あの人の喉が呼気だけで鳴る。  「ここ、凄いよ?」  俺は囁いた。  あんたにも味わって欲しい。  そこを突いた。  堪らない感触。  あの人は声さえ出さなかった。  身体の全ての力が抜け、ただ身体を震わせていた。  目を見開き、口がだらしなくあけられ、涎が垂れ流しになっていた。  中で俺のが搾り取られる。  吸い突かれる。  俺もたまらなかった。   力なく、身体をひくつかせるあの人を抱きしめて、一番奥で放った。  快感に叫び声が出た。  泣きながら出した。  脳が焼けた。    愛しくて愛しくてたまらなかった。  俺だけのあんただ。  あんたを抱いたのは俺だけだ。  俺だけのものだ。  「愛してる!!」  俺は叫んだ。           

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