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カルト 1

 「聖地」で生まれた。  父親は神だった。  おそらく。  他には考えられないから。  母親は・・・分からない。  沢山いた女性信者の一人だったのか、それとも、こっそりと牧場に埋められた信者の一人だったのか。  生まれた子供は聖地の全員で育てられていたから。  教団の財産として。  でも彼は特別に美しかったので「聖人」と神に断じられ、他の人々とは違い労働などは免除され、大切に育てられた。  子供は多くなかった。  それほど多くの集団ではなかったし、子供をつくっても良いのは「神」だけだったからだ。  ただし、挿入以外の性行為はむしろ推奨されていた。  それは男女間だけではなかった。    だから、彼は15になるまでに、すでに男女問わずその身体を弄られていた。  挿入は許されなかったが、それ以外のことを彼に行うことは許されていた。  神の目の前で信者達は彼にむしゃぶりついた。  神によって「聖人」であるとされた彼の身体を信者達は、うっとりと汚した。   どんなに汚されても、汚れない美しさに、快楽の果てに信者達はひざまずいた。  神だけは彼を支配するべく、その中までを犯した。  まだ幼い頃から。  時に夢中になり、何日にも渡って。  信者達はそれを恍惚として見つめ続けた。  二人の法悦を眺めることは上位の信者にのみ許されたことだったから。  彼はただ、それを受け入れた。  そういうものだと思っていたから。  成長するに従い、彼は神に疑問を抱くようになった。  ただの年老いた男にしか見えない、と思うようになっていた。  彼はそれを口にしないだけの賢さを持っていた。  教団では相応しくない言葉を口にするだけで、「転生」させられることを良く知っていたからだ。  後継者として、外の世界について学ぶほど疑いは大きくなった。  子供達の中で彼一人だけは、「外の連中にも負けない教育を」との神の命令で外の世界で高学歴だった信者達による教育が行われた。  このくたびれた小汚い男は、神などではない。  割と早いうちに彼はそう結論づけた。  一緒に育った子供達は何一つ疑わず、信じていた。  彼らも神に抱かれていた。  時に彼と他の子供達さを互いに愛撫させ、それを眺めて神は楽しんだ。  聖地は神のための快楽の楽園だった。  信者達はそれを当然だと受け入れた。  神の望むままに。  だからと言ってどうすることもできず、彼は信者達に身体を弄ばれ、くたびれ年老いていく男のモノを受け入れ続けた。  快楽は快楽。  意志は意志。  切り離された世界のように感じていた。  何の感情もなかった。    「お前が継ぐんだ」  愛しげに髪を撫でられながら、男のモノをしゃぶる間、そういう言葉を何度も聞かされた。  神は教団をもっと大きくするつもりだった。  世界的な宗教に。  自分を崇めるものをふやすつもりだった。    「私は神、お前は救い主だ」  神は言った。  

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