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カルト 7
幹部の男は少年の言いなりになった。
少年の言うことなら何でもした。
何のことはない。
少年が新しい神になったのだ。
だから少年に仕えた。
挿入して良いのは神のみ。
だから神が気に入っていたその綺麗な身体を今度は少年に開いた。
少年は自分がされたように、されているのを見てきたように当たり前のように男を抱いた。
男に住人を殺させた家で。
住人達の死体のそばで。
にこりと少年が笑うだけで良かった。
男は自分で服を脱ぎ、少年の服も丁寧に脱がせた。
男は跪いて少年のモノを咥え育てた。
そうしながら、自分の穴を解した。
少年をゆっくりと横たえた。
大切に大切に。
そして、少年の上に跨がり、腰をふった。
新しい神が喜ぶように懸命に。
少年は挿れて楽しむことを知る。
それは悪くなかった。
人を支配する感覚的が良かった。
少年は人の中で楽しむことを学んだ。
男の抱き方、愛し方。
前の神よりはるかに少年はそれの達人になった。
中でどうされたらいいのか、少年はよく知っていたから。
まだあどけなさの残る少年に、男はすぐにいいように弄ばれるようになった。
「お許しください!!」
何度もそう叫び、気を失ってしまいしそうになる罪をわびた。
少年が達するより先に、達してしまう罪を泣いてわびた。
際限なく年端のいかない少年にイかされた。
少年は男を貫き犯した。
抱き方をじっくり学びながら。
人を支配しながら、楽しむことを。
幹部は教団の隠し財産を持って本部を出たため、逃走資金には困らなかった。
在家信者のつてで、頭にはめ込まれた宝石を外し穴を塞ぐ手術も行われた。
逃走するにはあまりにも目立つ姿だったからだ。
深く脳に刺し込まれている針の存在に医者はレントゲンで気付き、これをどうするのか少年に聞いた。
「抜いてくれ」
と言おうと思った。
だけど、口から出てきた言葉は
「そのままに」
だった。
彼は驚く。
思う通りの言葉が出ない。
医者も何か気付いたようだった。
「yesなら手をあげて。noならそのまま。唇でも返事してね」
医者は言った。
「思っていることとは違う返事をしてしまう?」
医者は尋ねた。
彼は手をあげた。
でも口は違うことを言っていた。
「そんなことはない」
返事をした彼が一番驚く。
どういうことだ。
医者は難しい顔をした。
頭に穴をあけて教祖の思うまま針を打ち込んだのは教団の医者だった。
この医者は信者ではなく、金目当てのその世界の連中向けの医者だった。
今じゃ闇医者。
ただ、脳外科だった過去があった。
「珍しいケースだけどね。脳の損傷で思ってることとは違うことを口にしてしまうケースがないわけでわない。ただ、普通はすぐに嘘だと分かることしか言わないけどね」
医者の言葉に彼は笑った。
なるほどと納得したのだ。
物心ついた頃から、「思いもしない」ことしか口にしてこなかった。
今も「神」として下している命令のほとんどが嘘っぱちだと思いなが口にしている。
嘘しか口にしてこなかった。
今までずっと。
だから、嘘しかつけなくなってしまった今でも何も困らない。
その嘘に誰もが惹きつけられる。
嘘。
嘘こそ、価値がある。
少年の微笑みに医者は驚いたようだった。
「針を抜いてくれますか」
少年は手をあげて言う。
言葉は嘘。
つまり、「抜くな」と。
医者は驚く。
「このままでいいと?・・・確かに、抜くことでまた傷つければ話もできなくなる可能性もある・・・」
医者は呟く。
少年はにこりと笑った。
嘘だけが少年の武器。
人を従わす力。
なら、もう、嘘だけでいい。
「わかった。・・・宝石を外し穴を塞ぐだけにしよう」
医者は言った。
少年は唇に指を一本立てた。
誰にもいうな、ということだった。
医者は頷く。
新しい神が嘘なのは困るだろう。
それに、これでもっと金が貰える。
手術の次の日、医者は幹部によって殺され海に捨てられた。
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