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カルト 8

 幹部によって少年は外の社会について学んでいった。  髪を伸ばし、頭の傷も隠せるようになった。  そして、どうやって信者達を捕まえるのかのノウハウなどをも覚えていった。   街角で声を掛け、勧誘し、セミナーを行い、お金を得る。  そして、信者にしていく。  そういったやり方を学んでいった。   幹部は憤っていた。  教祖の死後分断した教団の在り方に。  存在だけを残そうと、在り方を変えて生き残ろうとする生き残った他の幹部達に。  連れていくに値しないとされたからこそ生き残った連中が、神になりかわり分断された教団を率いているのがゆるせなかった。  でもこちらには正当な後継者がいる。  幹部は僅か一年で大人びた少年を見つめる。  新しい神はあまりにも美しかった。  そしてあまりに魅力的だった。   彼が声をかければ誰もが立ち止まり、話を聞いた。  セミナーに喜んで参加し、そこで感情をぶつけ、打ち砕かれ、彼の言いなりになった。  セミナーが終わった頃には誰もが彼の虜になっていた。  そして、新しい教団の形が出来始めていた。  ただ、前の神とは違って、少年は誰彼ともなくセックスの恩恵を与えることはなく、幹部を抱くだけだった。  幹部はそれに、恩恵を自分だけが与えられることに震えるほどの喜びを感じた。    時に彼を独り占めしたくなる想いに身を焦がし、そんな自分の罪に苦しみながら、毎夜毎夜、少年をその身体に受け入れた。    幹部は喜びのあまりなんでもした。  少年の要求には何だってこたえた。  本当になんだって。    少年は幹部しか抱かなかったけれど、時に幹部を人には抱かせた。  新しくできた信者達ではない、酷く残酷な匂いのする連中に。  そういった連中とどうやって知り合うのか、どこで知り合うのか少年は幹部に教えることはなかった。  少年に言われるがまま、幹部はソイツらに抱かれた。    少年が望んだから。  それだけで理由は事足りた。  暴力と罪の匂いのする彼等は、何故か少年に従順だった。  だけど幹部には違った。  少年は幹部に命令し、彼等に命令した。 それは言葉ではなかった。  態度でさししめされた。  「彼等に抱かれろ」「彼を犯せ」と。  幹部は従い、彼等も従った。  彼等はまったく優しくはなかった。  時に10人近い連中に犯された。  穴という穴に突っ込まれ、舐めまわされ、噛まれ、殴られた。  頭を押さえつけられ喉を犯され、乱暴に突きいれられ、注ぎこまれた。  何度も何人もに後ろの穴を犯された。  彼らは並んで順番を待ち、待ってる間、その口でも楽しんだ。  快楽ではなく苦痛の叫びを上げる幹部に、男達は余計に興奮した。  手酷く抱かれた。  噛まれ、殴られ、罵倒された。    罵りながら、強引に後ろの穴に突っ込まれ、血を流すそこで動かれた。  嘲笑われながら口の中をこじあけられ、生臭ものを喉の奥に何度も注がれた。  性器を、足の指を、舐めることを強要された。    だけど幹部は耐えた。  少年が抱くのは自分だけだから。  これは少年の命令だから。    傷みも嘲笑う声も、力任せに突っ込まれることも。  喜びでしかなかった。  そこで少年がみているから。  そして、終われば汚れた身体を少年に優しく優しく抱かれた。    その時だけが全てだった。  これは試練なのだと思った。    救いに至る為の。  少年は優しく微笑んだ。   言ってくれた。  「愛してます」と。  それが、神の愛であり、恋人のそれではないとしても、幹部はそれで十分で、幸せだった。  その後には優しく髪を撫で口づけて。   甘く優しく抱いてくれたから。  新しい神と共に、新しい教団をつくり、世界を救うことを夢見た。    それは幸せな夢だった。  

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