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助け手 2

 追ってくる車の助手席の窓から身を乗り出して、捕食者が怒鳴る。  「何こっちに向かって撃ってるんた情報屋!!そっちについたのか?」  いや、でも、オレの背中に弾撃ち込んだのはそっちだよね?  明らかに狙って撃ったよね?  何発も。  だからつい、オレ撃ってしまって・・・。    「違う!!」  叫んだけど、オレを狙う銃口が見えてあわてて身体を低くした。  撃たれたら、痛いんだよ。  死なないだけで痛覚はしっかりあるんだよ。  「ああ、もう丁度いいからまとめて殺してやる!!」  捕食者が流れて怒鳴ってる。  丁度良いって。  あ、これ、従属者とやったのバレたな。  あの子・・・嘘とかつけなさそうだしな。  美味しく頂きました。  確かに。  メチャクチャ可愛かったです。  情熱的で、すごく良かったです。  でも、オレだって・・・まあ仕方なかったんだよ!!    最悪な展開。  「   !!!」  なんかアイツが捕食者に怒鳴っている。  聞き取れないけど、なんか言ってくれてる。  「わかった・・・わかった、うるさい。黙れ犬!!とりあえず今は殺さないでやるから、抵抗すんな情報屋!!」  捕食者が怒鳴ってきた。  いや、その言葉信じられないんですけど?  何より、とりあえず殺さないって・・・どういう意味?  いずれは殺すってことでしょ?    オレは困る。  大量虐殺に手を貸すのは問題外だ。  でも、捕食者はオレを殺す気だ。  かといって、嘘つきもオレを殺さない保証などないし。   オレ、これどうすればいいんだ。  運転席と助手席の隙間から、嘘つきがオレを見て笑った。  邪気ない笑顔で。  コイツ・・・。  これを狙っていたのか。  捕食者と従属者の間に消えないわだかまりをつくり、救出すべきオレを捕食者に憎ませ分断させる。  少なくとも、捕食者はオレを助ける気はさらさらないだろう。  むしろ、オレは捕食者からも逃げる方法を考えなければならなくなった。  笑顔は優しく、でも視線だけは絡め捕るようにオレを見つめる。  「逃がさない」  その目はそう言っていた。  オレを逃がさないために、そうしたのだ、それがわかった。  最悪。  最悪なヤツにつかまった。  でも、今はとにかく・・・捕食者からにげる必要がある。  捕まってたら間違いなく、始末される。  アイツでは捕食者を止められないだろう。  オレを庇って、下手すりゃアイツも殺される。  それだけは避けないと。  「・・・泳がされてたねぇ。予想はしてたけど、出て来るタイミングが違ったね。まさか街中で仕掛けてくるとほ思わなかったな・・・まいったね」  男が呟く。  コイツのドライビングテクニックについては良く知っている。  凄い。  何回も逃げ切っている。  でも今回は山の中の道無き道を進むことも出来ないし、道路は封鎖されているだろう。  このままでは捕まる可能性はある。  コイツらが捕まって貰わなければならない。  でも、オレが殺されるわけにはいかない。  さて、どうすれは・・・・。   嘘つきは平然としていた。  というより、全く何もしない。  コイツこんな時まで人任せかよ!!!  ああそうだな、コイツ、殺した死体の処理すら出来ない男だったな、コイツ本当の役立たず!!  主犯のくせに役立たず!!  考えろ、考えろ・・・捕食者にリンゴみたいに生きたまま全身の皮を剥かれるなんてまっぴらだ。  考えなければ!!    

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