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助け手 3

 「わかった、わかった、殺さない。・・・とりあえずは」  僕は喚く犬を黙らせるためだけにそう言った。  情報屋の背中に思い切り良く鉛の弾をぶちこんでしまったから、殺意がバレてしまづた。  「殺さない ・・・努力はする」  と約束する。  まあ、努力はしても努力が足りないことはあるよな。 殺す。  アイツは僕のガキに手を出した。  そうさせたのは詐欺師だってのは分かっている。  だけどそれがどうした?  アイツは、僕のモノに、手を出した。  ガキのをその穴に咥えこんで楽しんだのか、あのビッチ。  考えるだけで震えがはしる。  僕のに触った。  僕だけのなのに。  ガキを喘がすのも、泣かすのも、メスにするのも、オスにするのも、触ららせんのも、触るのも、犯すのも挿れさせんのも、全部していいのも、させていいのも、僕だけだ。  まあ、させる予定はなかったんだけとね。  お前のせいで、ガキに挿れされせるはめになってしまったのも許せない。  僕が。  この僕が、抱かれるなんて!!    ガキのご機嫌ぶりが腹立たしいが、抱かせなかったらガキはもう笑ってくれなかったかもしれないと思えば仕方なかったと思うが、僕が僕が僕が!!!!  記憶から消し去りたいのに!!!!  ガキを見る度思いだしてしまう。  僕が!!  この僕が!!    でも・・・ガキは殺さない。  殺せない。  なら、その分もお前と詐欺師で支払え。  ガキを泣かせたその分も。  お前達に支払わせてやる。  簡単に死ねると思うなよ。  僕はそう決意を決めていた。    お前達では僕を殺せない。  このゲームは最初から僕の勝ちなのだ。  さあ、とうする? 詐欺師? 情報屋?  「もう少し先に、街中での騒音防止のための壁がある。そこに車をぶつけろ」  僕は犬に命令した。  犬の部下がこの先を封鎖しているはずだ。  「いや、ぶつけるんじゃない、潰す。フルスピードで後ろから車と壁でぺしゃんこにしてやれ」  僕の言葉に犬は首をふる。  「断る。私が死ぬ」  まあ、そうなるな。  お前が死ぬのは僕にはそれほど大した意味はない。   「よし、途中で飛び降りろ。僕がお前に代わって突っ込む」  僕は優しく言った。  「こんなスピードで走っている車から飛び降りろと?それに、車で潰したところで、詐欺師もアイツも死なないぞ!!」  犬は言った。  「ああ、でも、あの男は死ぬ。傭兵だがなんだか知らないが、あの男は死ぬ。詐欺師も情報屋もアマチュアだ。不死身だなんだ言っても、アイツらだけでは僕の敵じゃないんだよ。あの傭兵を車ごと潰せば・・・もう、終わり。捕まえてしまえば、僕が消し去るまで遊べるオモチャでしかない。」  僕は言った。  詐欺師と情報屋風情が何ができる。  こっちはプロなんだよ。  殺しのな。  まあ、今はプロの正義の味方だけど。  悪者を殺すのだから、何の問題もない。  情報屋が悪者について向かって発砲した以上、情報屋を殺してもガキに言い訳が立つ。  「・・・完全に精神を乗っ取られて・・・仕方なかった」  そう、ガキには言うことにしよう。  嘘は苦手だが、殺してしまった以上、深くつっこまれることはないし、犬が情報屋が撃ってきたことは証言するだろう。  犬は僕があえて殺したとわかるかもしれない。  だが、いざそうなれば何も言わないだろう。  何故なら、その場にいながら止められなかった自分が一番悪いからだ。    袖に仕込んでいたナイフで犬のシートベルトを切り裂いた。  「何を?!」   それでも犬は運転をやめない。  止めたら逃がしてしまうからだ。  僕が犬の動きを奪うにはそれ程の力はいらなかった。  顎を掌底で軽く打ち抜くだけでよかった。    こうすれば脳が揺れて、10秒程身体が動かなくなる。  運転席のドアを開けて外に犬を外に蹴り出すたけでよかつた。    スピードが落ちたから、運がよかったら死なないだろう。  それに、身体に力が入っていない状態で落ちるほうがケガが少ないらしいぞ。      しらないけどな。  犬の身体は僕に車外に蹴り出され、アスファルトに叩きつけられ、バウンドしていたのがチラリと見えたが興味はなかった。   僕はハンドルを掴み、アクセルを踏み込み落ちたスピードを急いであげて追う。  こっちの車は違法改造してあるんだよ。  運転技術はあっちの傭兵の方が上だ。  でも、このまっすぐに走るしかないこの道では技術は関係ない。  逃げられた山道ならいざ知らず。  そして、このまままっすぐに行けば、急カーブが現れる。   そこで追いつき、曲がろうとする車をこの車で挟んで潰してやるつもりだった。  こちらは曲がらず、ただ壁とあっちの車にむかって踏み込めばいいだけだ技術はいらない。  どんどん距離を詰めていく。  フロントガラスは真っ白だか、十分。  フロントガラスを突き破り、また銃弾が飛んできた。  ハンドルを手放せない傭兵に代わり、情報屋が撃ってきてるのだ。  本気で僕を狙ってやがる。  賢いなお前。  もう分かってるんだな、僕がお前を殺す気なのを。    死ぬ気の無さが好ましかった。  僕は希望を捨てない人間が大好きだ。  あきらめない人間が大好きだ。  頑張れ、情報屋。  最後にお前の目から光が消える瞬間を考えたら堪らなく興奮してくるよ。  傭兵は潰して殺す。  情報屋、お前は気に入ったから、ちょっと優しく殺してやる。  少しだけ、頑張れ。  そこまで長引かせない。  詐欺師。  手足を繋いで、じっくり楽しんでやる。  何日も何日も楽しんでから・・・。  ああ、そえだ。  ガキを連れ込んで苦しむお前の前で楽しもう。    勃起しそうだ。  ガキが抱きたい。  お前らの苦しむ姿を見れると思うと、これから車でお前らに突っ込み、こっちの身体も潰される痛みさえ楽しみでしかない。    どんどんアイツらの車に追いついていく。  壁はもう少し。  十分。  このまま踏み続けるだけでいい。  迫る壁。  詰めていく距離。  僕はぶつかる衝撃で潰れる身体の覚悟を決めた。  僕は捕食者の中では回復力は早い。  詐欺師の回復力がどの程度かはわからないが、戦う力を持っていない詐欺師が少しばかり僕より回復力が早かったとしても、たいしてかわらない。  あと少し。    さあ、ぐちゃぐちゃに潰してやる。        

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