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解除 2
初めて恋人を抱いた時は、散々前でイかせてやったのを思い出す。
あの時は今感じる面倒くささなんて感じなかった。
痛がる恋人が愛しすぎて、なんとかしてやろうとこっちも必死だった。
意地っ張りな恋人。
可愛い恋人。
痛みに戦く身体に焦ったのは男だった。
少しでも痛くないようにしてやろうと頑張った。
あんなに必死なセックスなんてしたことがなかった。
飼ってたつもりだった。
手は出してしまったし、手を出したことに後悔はしたけれど。
猫と同じように扱っていた。
大切に可愛がり、好きにさせやり、危なくないように管理して。
それでいいと思ってた。
セックスはまあ、楽しくはあるがあくまでもオプションだった。
それ以上に可愛く飼っていた。
猫に仕えるのと同じように。
常に気にかけて、仕事でいない間もどうしてるか心配して。
猫とソイツの待つ家に帰るのが、キツイ仕事の間の心の支えだった。
独裁者がする皆殺しの命令で、女子供を淡々と殺している間も、猫とソイツが待つ家のことを考えたら、さすかに滅入る気持ちが楽になった。
そんな風に思っていたのだ。
「ちゃんとイかしてやるからな」
信者の前をいやらしく擦ってやる。
後ろの痛さはあっても、ここに出家してからは禁欲的な生活を送っているせいだろう、擦られれば萎えることなく、喘ぎ声をあげていく。
多少めんどくさい。
後ろでするのを慣れたヤツとたっぷり楽しんでやりたかったが、それは贅沢だと男はわかっていた。
これはお仕事なのだ。
楽しんでいるけど。
信者はちゃんと射精した。
射精した瞬間、震え、締め付ける穴を男は楽しんだ。
首筋にキスをしながら、中にたっぷり放ってやった。
もの足りないが、まあ、仕事なことを考えればこれくらいでおわらなけらば。
男は死体で楽しむ趣味はないので、ここまでで諦めるしかない。
時間的にもうギリギリだ。
教団本部でもこうしたが、まだ教団はわかっていないようだ。
支部とはいえ、こんなに簡単に侵入を許すなんて。
わかってない。
あの男が狙っているのは本部などではない。
今の教団代表などではない。
教団全てだ。
教団そのもの。
上に逆らえず、大人しく犯されるような、ここにいる信者のような一人一人だ。
まだ繋がったまま、キスをした。
フェラは下手だったがキスは悪くない。
「可愛かったよ」
物足りなかった、なんて言わない。
可愛かったのは事実なのだ。
繋がったまま首を締めた。
自分がまた硬さを取り戻していることには目をつぶる。
殺しながら、犯すのがいいだなんて・・・思いたくはない。
だけど、首を締めていけば、また穴が締まっていく。
腰が動いていた。
何故殺されるのかもわからないまま、信者の顔が赤黒く染まっていく。
膨らんでいく。
目かとびだすように見開かれ、口が裂けるほど開かれ、舌を突き出す。
ホラー映画の化け物だ。
せっかくの可愛い顔が台無しだ、と思いながら、穴の締め付けを楽しみ、早めに射精した。
手に爪を食い込まされたが、まあ、これくらいは仕方ない。
相手は死ぬのだ。
その苦しみに比べたらこれくらい。
死ぬ前に射精することにはこだわった。
死んだ後に出したら、変態みたいだからな、男は真面目にそう思っていた。
死ぬ間際のセックスが、生きてる最中の信者とするより良かったのは内緒にしておこう、男はそう思った。
これは仕事。
だから別に殺して犯すのが目的じゃない。
そう、仕事で浮気じゃない。
心の中でもうすぐ生き返る恋人に言い訳を男はしていた。
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