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祭りが始まるまで 5

オレは呻く。  熱い肉に暴発寸前の俺のモノを絞られているのだ。  蠢き絞り込んでくるそこの甘さに射精をこらえるのに必死だ。  嘘つきは俺に跨がり、オレの胸に手をついたまま、耐えるオレを見て笑った。  オレのをくわえこんだ穴をゆっくりとゆする。  清らかな顔や身体はもうドロドロに汚れていて。  それがどうしようもなくいやらしい。  汚されれば汚されるほど、美しい者というのはいるのだと思いしらされる。  「・・・余裕かよ」  オレは喘ぐ。  挿れられる時に主導権を奪われるのは諦めていたが、最近ではたまに挿れる方をする時でも好きにヤラレてしまいそうになってる。  オレもドロドロに汚れている。  ほんの少し前まで、嘘つきのを後ろでも口でもくわえ込んでいたのだ。  女だったら確実に妊娠しているほど中で注がれつつげ、嫌というほど飲まされた。  もちろん、もう出ないと泣いているのに、射精させられ続け、飲まれもした。    オレが不死身の身体じゃなければ確実に死んでる。  セックスで死ぬこともあるのだろうと思い知らされた。  それでもこの不死身の身体は回復してしまう。  そしてまた今度は俺を中から貪ろうとする嘘つきに、オレは跨がられてる。     5回に一回位はオレが挿れるようになった。  元々嘘つきはどちらも出来るのだ。    オレと同じ位、性にたいしてなんでもありな嘘つきには、挿され支配されるという思いから解放された今なら、挿れるか挿れられるかなんて体位の一つ位にしか思っていないのは間違いないし、オレも気持ち良ければどちらでもいい。  けど、もう許してくれと思ってしまう。    だけど嘘つきがオレのを後ろにハメてゆするのにたまらなくなって、下から突き上げてしまう。    「あっ・・・」  嘘つきが気持ち良さそうに俺に跨がったまま背を反らせる。  深く入ったものを突き上げる。  「・・・・っ」  嘘つきの漏れる声。  そして嘘つきの勃ちあがって揺れてるそこから、トロリとこぼれ出す。  嘘つきは自分の指を俺のをしゃぶってる時みたいに咥えて、舐めながら、腰を振る。  いやらし過ぎる仕草を、嘘つきはそれと分からずやっている。  コイツ性経験は豊富だが、AVやポルノはみたかことないのだ。    揺れ絞られ、信じられない位気持ち良い。  ああ、クソ。  コイツが可愛い。  夢中で突き上げた。  震える身体も、揺れる腰も、全てが愛しい。  精液に汚されても、美しい姿も。  汚されても汚されても、なお汚れない何かに魅せられて、教祖や信者達はコイツを汚し続けたのかもそれない。    「後で綺麗にしてやるからな。綺麗に全部洗ってやる」  オレは囁いた。  コイツはオレをドロドロに汚すのが好きだか、オレはコイツを洗ってやるのが好きだ。  オレのために無くした左腕の痕に口付けを繰り返しながら、髪から足の先まで洗ってやるのは、セックスと同じ位好きだ。  まあ中を掻き出してやってるうちに変になって風呂で初めてしまうこともあるけど。  汚れたコイツはたまらなくいやらしいけど、それを洗い流し、無邪気に微笑むコイツはもっと可愛い。  コイツの中で暴れている真っ黒な闇も、洗い流せたらいいのに。  そうすれば嘘つきはもっと無邪気に笑うだろうに。  オレは一番奥を突いてやりながら、アイツの指を捕まえて含む。  一本しかない腕の指。  愛しい指。  「・・・好きに動いていいよ。もうセックスではお前に勝てない」  オレはあっさり負けを認め囁く。  綺麗な指を舐める。  こんなに綺麗なのにセックス以外は不器用な指。  でも料理はできたよな。  やれば出来るのにする気がないんだよな、とか思いながら、甘く噛み吸う。  嘘つきは喘いだ。  声が枯れるほど叫んだセックスとは違い、今は不思議なほどに密やかでいやらしいセックスにオレは酔いしれる。    嘘つきが腰を揺らす。  上下に動き、腰を回す。  締められ擦られるそこの甘さにオレは酔う。     オレは嘘つきの指を舐めながら喘ぐ。    「めちゃくちゃ気持ちいい・・・可愛いな、ホントお前」  オレも腰を動かしながら言う。    顎をそらし、快楽に陶酔しながら俺に挿れられ喘ぐ嘘つきは、オレに挿れる時とは違ったいやらしさだ。  中でさらに大きくなってしまうのを感じる。  嘘つきもそれを感じて、幽かな声を漏らす。  嬉しそうに締め上げられた。  グチャグチャに溶け合って。    どちらの精液で汚れているのかもわからなくなって。  挿れられて、挿れて。  互いにの身体のどこも知らないとこなどなくて。  体液という体液を交換しあって。  それでもお前は不安なの?  狂ったようにオレを欲しがる嘘つき。  中に奥に、オレを咥えてこもうと腰を深く下ろす。  挿れる時だって少しでも奥へ少しでも中へ。  一番奥で放とうとする。  溶けて混ざって離れられないようになりたいかのように。    奥を欲しがる。  背中をそらしながら、奥でオレを感じようとする。  その必死さに泣きそうになる。  こんなに求められたことなどなかったから。    それでも時計をちらりと確認する。  ああ、まだだ。     まだだから。     オレは嘘つきにリズムを合わせる。   もっと深く、強く、繋がるために。  「溶け合って・・・しまいたいな」  オレは呟いた。    ポタリ、顔になにかが落ちた。  嘘つきが泣いていた。  なんで泣く。  オレはあせる。  「泣くなよ・・・」  オレは困り切って言う。  嘘つきは笑う。    泣きながら。   ああ、嬉しくて泣いてるのか。      オレが今お前と同じことをおもったから?     「ああ・・・も、ダメ」   オレは可愛すぎてもう耐えれなかった。  一番奥で放ったそれを、嘘つきは嬉しそうに絞りながら味わい、声は出さずに、吐息のような音をその反らせた喉から鳴らし、アーチのように背を反らせながらイった。  どさりと胸の中に倒れ込んできた嘘つきを抱きしめる。    寄せられてきた顔に頬をすりつけ、精液や唾液で汚れた顔にキスをする。  誘うように開けられた唇を塞ぎ、欲しがる舌を与えてやる。  嬉しそうに舌を絡まらせ、吸ってくる。    繋がりたい。    溶け合いたい。  そう願う嘘つきが切ない位可愛い。  人間だったら確実にヤリ殺されているんたけど、それでも可愛い。  嘘つきがオレの胸に手を這わせ始める。  また始まりそうになってさすがに慌てた。  そろそろ・・・だし。     「・・・風呂行こうか?洗ってやるよ。綺麗にしてやる」  オレは囁いた。    嘘つきは素直に頷いた。    オレは嘘つきの中から自分を引き抜きながら思った。  どんなにセックスしても結局、離れるしかない。  一つの身体にはなれない。  それが切なかった。    

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