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祭 21
腰をつかんでゆっくりと押し挿れていく。
少年が傷みと圧迫感に、ぼんやりと綴じていた目を見開き、背中をそらせたえる。
ひい、と声にならない悲鳴が少年の反らした喉から漏れる。
時間をかけ柔らかくなったとはいえ、初めてなのだ。
やはりキツい。
挿れる男も痛い位だ。
「力抜けよ」
男は優しく身体を撫でながら一旦止まる。
「痛いっ・・・痛いよぉっ」
少年は泣いていた。
思ってもいなかっただろう痛みに。
痛みを伴うものだと知らなかった無垢さが愛しい。
あんなに挿れたがっていたくせに、なんにも知らない。
「ヤだ・・・痛い・・・」
痛い痛いと泣く少年に、思わずまた大きさが増す。
「おっきくしないでぇ・・・」
少年は泣き喚く。
「お前がしたがったんだぞ・・・それにお前が殺した連中はもっと痛かったとおもうぞ」
男は言った。
言葉とは違い、身体を撫でる手は優しい。
乳首を優しく摘まんでやる。
そこで覚えた甘さに少年の身体の力が抜けていく。
男は前も優しく擦ってやった。
どこが好きなのかは良く知っている
「あっ、・・・はぁ」
少年は喘いだ。
身体の力が抜けた、その瞬間に男は奥までねじ込んだ。
「ヤダっ!!」
少年は叫んだ。
背中を弓のように反らし、ヒイヒイと喉だけで息をする。
「全部入ったな」
男は満足げに少年に囁いた。
「酷、い、ひど、い」
甘やかされ、強引はことなど、されたことがなかった少年が、泣く。
でも今日は止めない。
「酷くない酷くない。・・・セックスってのはな、二人ともが満足するまではやめてはいけないって言うのがルールなんただよ。だから、オレが満足するまでは終わらないの。わかる?」
男は囁いた。
触って切れてないか確かめる。
なんともないようだ。
けがなどさせる気は全くない。
「そ・・・うなの?」
涙目で少年は今、適当に男がつくったルールに驚く。
男は頷く。
どうせ嘘だと教えるヤツはいない。
「そう。だからお前はオレがする事を何でも受け入れないといけない、いいね」
男の言葉に少年は顔を歪めた。
思い切り思うままガツガツと奥まで突きたい気持ちを男は堪える。
馴染むまで待ってやる
今までセックスでそんなことをしたことは一度もなかった。
本当は顔を見たいから前から入りたかったが、初めての行為に負担にならぬように背後からにしたりするほど、相手を優先させていた。
「優しいな、オレは」
男の呟きは泣きながら喘ぐ少年には皮肉に聞こえたかもしれない。
うなじを優しく吸う。
身体が腕の中で震える。
「あっ・・・」
少年の声が可愛い。
もういいはずだ。
ゆっくりと男は動き始めた。
最高だった。
ただ怯えて、震えて、何もしない受け身なだけの相手にそんなことを思うのにビックリした。
やりたいようにしないで、加減しながらしているのに堪らなく気持ち良かった。
繋がったところから溶けあうんじゃないかと男は思った。
「気持ちいいか?」
男は何度も少年に聞いた。
そんなことわざわざ聞かない。
聞いたとしても、言葉責めでする位だ。
少年は喘いでいた。
言葉もなく空気を求めるように喘ぐ。
「なあ、気持ちいいか?」
気持ちよくなって欲しかった。
自分と同じ位に。
自分が気持ち良くなってこそのセックスだと思っていたのに、少年がどう感じているのかか気になった。
優しく動く。
ゆっくりと。
「気持ち、い」
少年は確かに言った。
「そうか」
男は笑った。
嬉しかったのだ。
それに驚いた。
獣のような気持ちになるセックスの最中にこんな胸が痛むような想いをするなんて。
「もっと気持ち良くなろうな」
男は優しく囁いた。
少しずつ少しずつ強くしていく。
「気・・持ちいい・・いいっ!!」
少年が叫ぶ。
身体が震え、きつく締め付けられる。
出してないけれどイったらしい。
愛しい愛しい。
胸があたたかくてたまらないのに、脳は快楽で焼けそうだ。
アソコは穴の中で溶かされて、弾けるのを待っている
「そうか・・いいか」
男は微笑んでいた。
「お前が気持ち良くなきゃ意味がねぇ」
そう囁く言葉に男が一番驚いた
そしてそれが本心なことに。
「オレが好きか?」
男はつまらないことを聞く。
こんなことしたことがない。
「・・・好きぃ!!」
少年が悲鳴のように叫ぶ。
男は強く突いた。
少年の背がそり、また身体が震えた。
「あんたに・・・近付くヤツ・・は全員殺す!!」
少年は泣いた。
その言葉に男は少年の奥深くに放ってしまった。
どうかしてる。
どつかしてる。
こんなことを言われて、実際実行されて・・・最高だと思ってしまうなんて。
「だめだわ。完全にオレ捕まったわお前に」
男は極まって震えるだけの身体を抱きしめながら呟いた。
「愛してる」
男は恋人にそう言わずにはいられなかった
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