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祭23

 最終的に、3人の男の遺体と、手酷く殴られ犯された恋人の遺体がみつかった。  恋人の身体は一部獣に齧られた跡もあった。  死後数時間は経っていた。  最後の最後まで抵抗したらしく、食いちぎった性器が現場に落ちていた。  恋人は拷問としてレイプされ、見せしめとして殺されていた。  男を恨む人々の手によって。  あれほど大切に抱いた身体は血まみれで、精液を零す後ろの穴は見るも無残にズタズタにされていた。  乳首も噛み切られていた。    複数で押さえつけられ殴られ、おそらく手足の腱を切られ、犯されたのだ。  意識がある限り恋人は抵抗するからだ。  綺麗な顔は殴られ過ぎて醜悪に腫れ上がっていた。  そんな死体など見慣れていた。  命令でそんな死体をつくりもした。  拷問を加えて殺す。  仕事だったから。    敵に捕まった仲間が拷問されて死ぬのを見てもいる。  味方が住人を群れをなして、犯すのも。  でも。  でも。  男は恋人の死体を抱きしめた。    そこにはもう体温はなかった。     膨れ上がった顔は初めて出会った時のようだった。    病と酷い皮膚病に唇まで膨れ上がった顔を思い出した  小さな汚い子供。    袖口を濁りしめた小さな手。  夜抱きしめて眠ったあたたかい身体。  愛撫した肌、中までも味わった肉体。  愛しい身体。    可愛いペットが愛しい恋人になるまでの長い日々が作り上げた肉体は生きること止めていた。  頭が真っ白になった。  何も考えつかない。  どんな時でも、この頭は冷静に対策を考えてきて生き延びてきたのに。     「   !!」  獣のような声で吠えた。  それは恋人の名前だった。  名前で呼んだことはなかった。  猫にも名前を与えていない。  でもまだ幼い日、子供は男に名前を告げていた。  呼ぶことはなかったけれど  呼んでやれば良かった。  生きてる間に。  死んでやっとその名がこの唇から叫ばれるだけなら。  男は吼えていた。   抱きしめながら吼えていた。  獣のように吼えていた。

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