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祭 35
さてどうする。
答えは簡単だった。
従業員の服を奪う。
これが正解だ。
ルームサービスを頼む。
運んできた従業員の服を奪った。
・・・ただし、予想に反して・・・従業員は・・・女性だったんだ。
と言うわけでオレは女性にガラスの破片を突きつけて、服を脱ぐように強要するハメになった。
「オレ、ゲイだから大丈夫、欲しいのは服だけだから」
と何度も女性に言っておいたが、心のキズになっただろう。
女の服を欲しがる全裸の変態に服を奪われたのだから。
申し訳ない。
ドアを開けたらほぼ全裸の血塗れの男。
それだけでもショックだっただろうに。
彼女は震えながら服を脱いで下着だけになった。
縛るモノがないから、腰に巻いていたタオルを使わざるを得ないから、彼女は全裸の男に縛られたわけで。
本当に怖かっただろう。
あやまりながら裂いたタオルで手足を縛った。
フルチンで。
オレだって恥ずかしいんだよ!!
オレが一番恥ずかしいんたよ!!
そう叫びたかった。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
本当にごめんなさい。
もしオレが警察に捕まったら、ワイドショーでめちゃくちゃ報道されるんだろうな・・・。
オレは残念ながら背が低い
女性の制服は問題なく着れてしまった。
女性は女性にしては高い方だったから。
わかる?
オレは全裸で女性から服を奪った変態で、しかもパンツもはかずにスカートを履いてホテルから逃げるべく非常階段を疾走してるんだよ。
オレ、変態のデパートだよね?
オレ確かにビッチだけど、こんな複合型の変態ではないんだよ!!!
嘘つきならなんか喜ぶシュチュエーションかもしれないけどね!!
オレはさすがに靴だけはあわなかったので奪った靴下のまま階段を駆け下りていく。
さて、外に出たとしてどうする?
ホテルの女性ユニホームを着た男性が、無事にあの会場までたどり着く算段をオレはたてなければならなかった
オレは下手に逃げなかった。
この格好でホテルから走り出てたら目立ちすぎるだろ。
今のオレは植え込みに潜む女装男だ。
情けなくてさすがのオレも涙が出る。
また嘘つきの精液がタレできて、その感触にオレは泣いた。
アイツどれだけだしてんだ。
どんな罪でも引き受ける。
今だけオレを捕まえないでくれ。
オレは必死で願った。
これほど強く願ったことはなかった。
それは嘘つきを助けるため
大量殺人を止めるため
そんなものよりも、この姿で見つかることだけは本当に勘弁して欲しかったからだ。
白状しておく。
全部終わったら、外国に逃げる前に、犯すだけ犯してあの嘘つき変態ヒモ野郎を、裸にして縛って通りを歩かせてやる、そう思ったけれど、喜ぶだけかもしれない可能性に思いあたり、考え直した。
アイツのイカレ具合はハンパないのだ。
オレは従業員用の駐輪場に潜んでいた。
ホテルの裏側にひっそりとある駐輪場だ。
ヘルメットを手にした男が歩いてくる。
男はバイクの鍵をさしこんだ。
そしてヘルメットを被ろうとした。
おし!!
オレは飛び出した。
男は固まる。
ああ、そうだよな。
女装の男が立ってたらビビるよな。
オレは「ゴメン」と思いながらハイキックを繰り出した。
アイツに教えられてるし、オレ程修羅場を潜っているライターはいない。
首にあたり、ゆっくりと男性は倒れた。
かわいそうに、オレのスカートの中身をもろに見るする羽目になったと思う。
タイトなスカートは完成に捲れあがって、モロ出しになっていたからだ。
どんだけの変態だよオレ!!
例えゲイでもこんな場面でそんなモノは見たくなかったと思う。
オレは男の服を剥ぎ取ろうと思った。
だが、パトカーの音や、集団で様子を見にくる物音に諦めた。
ヘルメットだけ奪ってオレはスカートのままバイクに跨がった。
「ゴメンナサイ」
オレは倒れた男に謝った。
エンジンをかける。
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