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祭 36

 休憩時間になった。  プログラムは半分を通過している。  僕はのんびりガキの膝を堪能し続けていた。  ガキの膝枕は嫌いじゃない。  たまにガキの指を齧ったり指先にキスしたりしながら。  髪を撫でることを促したら、小さくガキは笑った。  「あんた猫みたい」  そう囁かれた。  ガキの指が心地よい。  僕はガキの太股に顔すりつけた。  舞台の上でどんどんプログラムが進行するのをずっとみていた。  教祖を讃える歌を信者の子供達が歌ったり、代表である女の素晴らしさをたたえるスピーチを中学生がしたり、どこの独裁国家かと思うようなプログラムだった。  支配したがるヤツは、自分がほめたたえられるのが大好きだ。  誉められ、人々が自分に付き従う姿に恍惚とするのだ。  人々が自分のモノであることにパワーを感じる。  自らが神になりかわったような万能感。  歪んだ支配欲。  面白すぎた。  所詮は人間でしかないくせに。  とにかく女は満足そうだった。  30分の休憩の間に、演台をステージに設置させていた。  休憩の後、本日のメイン、女の説法が始まるからだ。  かなり大きい。  運んで来るのは大変だっただろう。  わざわざ当日、直前に。  下からライトアップするための照明までついている演台は、スピーチするための台というより、舞台の上にもう一つ舞台をのせたようなモノだった。  僕には何故女がその演壇を必要としたのか、何故女が殺人現場からその演台を運んで来たのかがわかっていた。  ここからが面白くなるところだ    何事もなくここまで進んできた。  さあ、休憩の後のメインタイム。  一番盛り上がるところで始まるはずだ。     ガキの指が止まったので僕は撫でることを要求した。  ガキは声を立てて笑った。    「あんた可愛い・・・」  ガキの言葉にちょっとムっとしたが、ガキは可愛いから許した。  ガキの指は優しかった。

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