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The show must gone 2
オレは後悔していた。
せめて20分、いや、10分・・
「最後に嵌めておけば良かった!!」
思わず呟いてしまった。
惚れた男のモンを最後に一度くらい味わいたかったってのはビッチとしてとても正しい考えだと思う。
アイツであれば、気持ち良さとかどうでも良いと思ってた。
でも、アイツマジであんなキス出来るようになってるんならその先も期待出来たんじゃないか?
アイツのデカいし、今のオレならたっぷり楽しめたはずだ。
クソ。
時間がなかったことを呪った。
ヤルだけやってサヨナラするべきだったのだ。
まあ、しかし、オレにはもう恋人と言うものがいるわけだから。
作ったことはなかったけど、恋人を作った以上はキチンとしなきゃな。
穴だけは恋人専用にして、穴以外ならやってもいいのか?
どこまでが浮気だ。
その辺がわからない。
嘘つきも絶対わかってない。
まあ、この辺はおいおい。
それにオレ達は人間のいない土地に行くんだし。
浮気もくそもないよな。
「何を嵌めたい?」
あの子が無邪気に聞く。
この子にゃオレの後悔は理解できないだろう。
オレ達は休憩で外に出てきた人達に紛れて歩く。少し離れて、アイツの部下がついて来ている。
騒ぎを起こしたくないのだ。
どこに嘘つきがいるかわからないから。
オレは指の先だけをそっと摘まんであの子と手を繋いで歩く。
あの子は手を繋ぐのも本当は好きではないから。
アイツは人混みを歩く時だけ、あの子がはぐれないように手を繋げるのが好きだった。
オレとあの子を連れて祭りに連れて行くたび笑ってた。
あの子に堂々と触れられるのが嬉しくて。
嬉しそうに、嬉しそうに三本の指であの子の指先を摘まんで歩いていた。
その指先にアイツの全神経が集中しているのを知っていた。
まだ小学生だったオレはそれがなぜイラつくのかが分からずに、アイツの腕を掴んでた。
はぐれないように、に見せかけて。
懐かしい。
入り口付近でオレはあの子の手を離した。
「・・・どうしても耐えられなくなったら、殺せ。お前に殺されるならアイツも本望だろ」
オレは笑顔で言った。
「ああ、少年の彼も耐えられなかったら殺してやるからいえと言ってくれてる。大丈夫だ」
あの子は言った。
捕食者が?
なんで?
随分優しいな。
「サヨナラ」
オレは言った。
「サヨナラ」
あの子も言った。
もう会えないと知っていた。
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