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The show must gone3

 ドアを開けた信者は言葉もなく、床に崩れ落ちた。  裸の男女の死体を踏みつけ、突き刺した刀を抜こうとしている男を見て。  純白の教団服を血に染めて、微笑みながら刀を引き抜く男の姿に信者は震えた。  「お待ちしてました・・・」   その信者の男は床に額をこすりつけた。  帰ってきたのだ。  聖人が。  女は性の秘儀と教祖と聖人を教団から遠ざけた。  教祖の教えだけは残したが。  教祖と聖人について、  生身の彼らについて語られることは禁止された。    そう、表向きは。  信者達は女に分からぬところで、女に近い信者以外のところでこっそりと語り続けた。    教祖が起こした奇跡の数々、聖人の触れたものからおこる奇跡。  教団が人間を超えるものであった頃の神話を。  こっそりと禁じられた秘儀を信者間で行いながら(挿入すること以外のそれ)信者達は語り継いだ。  そして、女も知らないところで新しい神話が生まれていた。  『聖人が帰ってくる』  何故なら、聖人は姿を消しただけだから。  何故我々を置いて姿を消した?  我々をいつか迎えに来るためじゃないか?  その神話は新しく入信する信者にも語り継がれた。  美しい青年の姿をした、慈悲深い聖人。  新しい神。  確かに今の代表は超常の力を持っている。  でも、神や聖人ほどではない。  聖人は帰ってくる。  聖人こそが。  正統な後継者なのだ。  血にまみれた聖人を見て、信者はすぐに理解したのだ。     「お帰りになられたのですね」  信者は涙をながして額を床にこすりつけた。  だから、血まみれの手を顔の前に突き出された時、迷うことなく舐めた。  美しい指は血を舐めとれば、真っ白だった。  必死で舐めた。  止まらなくなりそうだった。  顔を見上げれば、少し血で汚れた顔はどこまでも美しく、慈愛にみちた微笑みを浮かべていた。  教祖は選ばれた人達を連れていかれた。  ならば。  見捨てられた我々をこの方は迎えに来られたのだ。  信者は思った。   この方のすることに間違いはない。  我々は従うだけでいい。  信者は命じられることをまった。  

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