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The show must gone 9

 詐欺師は僕を見て淡く笑っていた唇をさらに吊り上げた。  情報屋が詐欺師の前に立ちふさがる。  面倒だが、「今日は殺さない」と約束した手前、一緒に撃ち抜くわけにもいかない。  コイツは悪者の仲間だが、悪者ではない。  僕に言わせたら悪者の仲間は悪者でいいと思うんだが、ガキそれは違うというし・・・。  まあ、引き剥がして撃てばいい。    僕は気にせずどんどん歩いていく。  潰れた信者と鉄材などを踏みながら。  詐欺師の眼差しが腹立たしい。    薄ら笑いを浮かべたその顔が腹立たしい。  僕をそんな目で見ることは許さない。  震えて怯えて、泣き叫ぶことしか許さない。  詐欺師の形の良い唇が開いた。  僕にも見えた。  詐欺師の唇から溢れ出したのは青い言葉が。  「    」  青い言葉はまるで光のようだった。  鮮やかにそれは拡散し、空間の中に溶けていった。  次の瞬間、会場の空気が震えた。  まるで、地震でもあったかのように。    轟音。  凄まじい雄叫び。  男も女も子供も、声を限りに喚いていた。  会場300人以上が髪を逆立て目を吊げて叫んでいた。  詐欺師の能力の発動条件。  「詐欺師を信じること」  詐欺師が生き返った時、この会場の信者達は詐欺師を信じたのだ。     詐欺師は殺されて、生き返ることでこの会場の、そして、中継された全ての会場の信者達を自分のモノにしたのだ。  やはり僕はコイツをナメてた。  コイツがあまりにもいい加減な仕事をするから。  行き当たりばったりだし、詰めが甘いから。  でもコイツはそれでも一番大事なところでこの僕を出し抜いてきたのに。  信者達を殺すことは出来るだけ避けたい。  正義の味方としては。  でもまだ信者達が来る前に詐欺師を殺せる。  僕は瞬間で間合いをつめた。  コイツを殺したところでコイツの発動してしまった能力を消せる保証はないが、とりあえずさっさと殺すことにした。  僕は詐欺師に張り付く情報屋を剥がし、右手を変化させた銃を詐欺師に向けた。  僕にすがりつく情報屋、それでも笑う詐欺師。  ・・・終わりだ。  「   」  詐欺師は引き金を引こうとしたその瞬間、僕にその言葉を囁いた。    青い言葉は甘く、僕の耳で溶けた。    僕は全ての機能を止めた。  「   」  その言葉は僕を撃ち抜いた。  

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