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The show must gone 10

 「舐めて?」  僕は囁く。  そっと彼の頭を僕のそこへ押すようにしながら。  もちろん、無理矢理なんてしない。  髪を撫でて強請るだけだ。  服は脱がせて、全身を丹念に撫でた後だ。  撫でるのはゆるしてくれる。  そっと触れるだけなら、彼の可愛いアソコやアソコも触れるのをゆるしてくれる。  この手で指で肌を堪能した。    撫でるだけ。  それ以上は許してくれない。   と、言うより泣かれると僕がダメになる。  彼に泣かれるのだけは耐えられない。  でも彼は口ではしてくれるし、飲んでくれるのだ。  髪を撫でれば、彼は僕のもういきり立ったモノを指で握りながらその先にキスをしてくれる。  それだけで僕はの身体は震える。  彼は赤い舌をその小さな唇からのぞかせ、僕のモノの先端を舐め始めた。  「上手・・・」  僕は彼の柔らかい髪をなでながら誉める。    彼は懸命に舐め始めた。  一生懸命さに感じてしまう。  「ん・・・吸って」  僕はお願いする。  彼は唇で先端を包み込み動かしながら吸ってくれる。  僕が気持ち良いかが知りたくて、僕を上目遣いで見上げる顔が可愛すぎた。  「いい・・よ。上手。」  僕が微笑むと彼は僕のモノを深く咥えて、一生懸命扱き始めた。  ベッドの上に座る僕の股間に顔を埋めるようにして寝転ぶ彼の白い尻を見つめて僕は吐息にごまかした溜め息をつく。    本当はここに、この穴に挿れたいのに。     少し触る位は許されても、ここに僕のを沈めることは許されていない。  でも、可愛い。  僕のために一生懸命に彼が、僕のを咥えてがんばっている。  それが可愛くないはずがない。      髪を撫でてその唇や舌、暖かい口の中を楽しむ。  「ごめん・・・ちょっとだけ」  僕は彼の頭を掴んだ。  少しだけ、少しだけぎりぎりの範囲で奥に押し込む。  本当は喉の奥に突っ込んで、そこで擦りたててやりたい。   喉の奥を嫌がられても突いてやりたい。  でも・・・でも・・・彼が泣くようなことは出来ない。  こうやって、口でして飲んでくれることが彼に出来る精一杯だとわかっているから。  涙目になりながら健気に耐える姿にでも興奮してしまう。      僕は苦しめすぎないよう気をつけながら、彼の口の中で放った。  彼がそれを飲み下す。  そんなことだけで満ち足りた。  ベッドの横にある水差しからコップに水を汲んで彼に渡す。  彼は慌てて、水を喉に流し込む。  「酷い味・・・」  彼は顔をしかめた。  もう飲ませるようになって長いのに未だに慣れない彼が可愛い。    「可愛い。大好き」  僕は囁く。  僕は僕より二回りは小さい彼の身体を抱きしめた。  抱きしめるのは許してくれる。  彼も僕に抱きしめられるのが好き。    「可愛い。可愛い」  僕は彼の耳を噛みながら囁く。  これはぎりぎり許される。  ピクリと身体を反応させるくせに。  感じてるくせに、ここまで位しか許してくれない彼が酷くて愛しい。  「可愛いって・・・同じ顔じゃないか。『みんな』」  彼は笑った。  僕と同じ顔で。  「・・・それでも君が一番可愛い」  僕は囁く。  僕と同じ色の目、同じ感触の肌をこすりあわせ自分との境目がわからなくなりながら、  同じ匂いの首筋に顔を埋めながら。  「変なの」  彼が笑った。  「あ・・・ダメ。まだ大きくなっちゃう」  僕は呻いた。   彼と抱き合えばどうしても。  「手でしようか?」    彼が僕を腕の中から見上げる。  その顔は僕と同じなのに、僕は堪らなく興奮する。  鏡を見てもこうならないのに何故だろう。  僕の方が成長しているけれど、間違いなくこの顔は僕の顔だ。  「してくれる?最後は飲んでね」  僕はお願いする。     彼は微笑み、指を僕のそこに添えて扱き始めた。   僕のして欲しいように指が動き出す。  どうすればいいのかよく知っている指が。  僕は耐える。  彼の指先だけで我慢することに。  本当は白い尻を広げて、そこに突っ込みたい。  そこで回して、捏ねたい。  何度も放って滑らかに動かしたい。  奥で気持ち良くなりたい。  何より、彼をめちゃくちゃに感じさせて乱したい。  僕は彼の髪を撫でながらその衝動に耐える。    それがどんなモノなのか僕はしっていた。  僕は彼の中に入ったことはないけれど、彼の中がどんな感じなのかは良く知っていた。  入ったことはあるから。  でも、彼にだけは入れない。    ほかの同じ身体はめちゃくちゃに楽しんでも。  彼も僕も他の子達も。  同じ身体、同じひとりなんだから。  「口でして」  僕は喘ぐ。  彼は僕の股間に顔を埋める。  昨日、僕は他の子をトイレに連れ込み、その喉の奥まで無理矢理押し込み擦りたてた。  えづく声や苦しそうに歪む顔が楽しくて、喉のおくを突きまくった。  喉の奥が当たる気持ち良い感触。      気持ち良い感触。  彼の喉も同じ構造なのを知っているけどそうしないし、そのままトイレの床で押さえつけて、その尻をろくに慣らしもしないで、突っ込んで乱暴に楽しんだけれど、彼にはそんなことはしない。  他の子なら、苦しむ姿さえ楽しむけれど、彼が苦しむなんて耐えられない。  そんなことしてたまるものか。  僕は彼の髪を優しく撫でる。  酷いことなんて、なに一つしたくない。  彼の身体の奥深くに挿れるときは、たたひたすら気持ち良く溶かしてやりたい。  この身体の奥が気持ち良いのは知っている。  そういう風に出来ているからだ。  そして、そんなに乱暴にされても、腰を振って乱れる位、この身体が淫らなことも知っている。    それは僕達全員がそうだ。  僕に深く突かれて何度も何度もその子は精液を勃起させたそこから吐き出した。  その子にも精通が来ていた。  だからたくさん出させてやった。  僕だけ他の子達よりも早く精通が数年前に来ていたけど、だいたい僕達は12才ごろに性的には完成する。  まあ、僕だけは他の子達よりもはるかに成長がはやく、12才には見えない15才くらいになっているらしい。  だから、僕の性器を他の子達は欲しがる。  誰もまだそんなのを持っていないから。    中で楽しむために。  「彼」以外は。    僕達はセックスが大好きなのだ。  性的な接触を嫌う彼だって、今夢中になってしゃぶっている。   それが、僕のためだけではないことを・・・本当は彼だって知っている。  僕達はセックスドール。  愛玩用の人形だ。  あと三年もすれば、完成して人間に奉仕する。  最高級の性的玩具。    男も女も僕達に狂う。  そして僕達もまた、誰に抱かれても乱れ、感じる。  セックスは僕達の存在意義なのだ。  でも・・・彼は。  僕の愛しい彼は。  セックスを嫌う。  僕は彼の髪をなでる。  首筋をなでる。  この気持ちが伝わればいいと思いながらなでる。    「愛してる。愛してる」  僕は呻いた。    呻きながら彼の口の中に放った。  彼の中で放てることに喜びを感じながら。    僕は・・・。  ここは・・・。  12才の僕の身体の中だと気付く。  少し記憶の混乱はある。  僕は他の子を抱きながら彼を抱いたりなんかしていない。  彼に触れられなかった時に抱いただけだ。  彼を抱きながら隠れて抱いたのは他の子じゃなくて・・・。  いや、彼を裏切っていたのは・・・一緒だ。  理由はあった。  必要があったからだけど・・・。   でも僕は悪いことをした。    絶対に浮気はしてはいけないのだ。    彼を傷つけたのだから。  けれど、これは僕の記憶。   忘れていた記憶。  工場で育てられていた頃の。  「   」  彼が僕の名前を呼ぶ。  僕の名前。  僕達には名前はなかった。   僕達は人間ではなかった。  そのことを教え込むために番号しか与えられなかった。  僕と彼はこっそりと互いに名前をつけた。  「   」  僕は彼の名前を呼んだ。  夜眠る、同じ部屋でふたり同じベッドで眠る時だけに呼ばれる秘密の名前。  僕は僕より小さな彼を抱きしめて寝たのだ。    もっともっと小さな頃から。  もの心ついた時からずっと彼を愛してきたのだ。  「愛してるよ」  僕は何度も何度も彼に言った。  図書館の物語の中でその言葉を知った時からずっと彼にそう言い続けてきた。  そんな言葉で足りるとも思えないけれど、僕の中にある言葉はこれしかなかったから。      

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