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The show must gone 24
「 」
詐欺師は青い言葉を叫んだ。
それは「死ね」と言う言葉だった。
もう全てを終わらせる殺意だった。
青い言葉は会場に拡散した。
それはおそらく、ネットを通じて他の会場にも広がっていった。
俺に歯を剥き襲いかかってきていた女の信者がビクンと身体を震わせ止まった。
次の瞬間ステージの床に頭をたたきつけはじめた。
狂気の表情で思い切り頭を床にぶつけていく。
皮膚が裂け血が吹き出す。
だけどまるで、そう、まるでセックスしているみたいに。
苦痛がまるで身体を焼く快楽であるかのように。
頭を叩きつけるたび、女は声を上げ、身体を震わせ悶えた。
「イく・・・」
女は叫んだ。
逝くだろう。
頭の中身がぐちゃぐちゃになれば。
信者達は道具もないのに自分で死ぬ為、様々な方法を行い始めていた。
自分で自分の首を締める者、座席の肘掛けに頭をぶつける者、ベルトを座席に固定して、そこに首をひっかけ座ったまま首を吊ろうとする者。
わかっていることは、彼らは死ぬまでそれを続けるということだった。
これほど強く頭を打ちつけているのに気絶する様子さえない。
言葉は深く深くはいりこんでいるのだ。
信者達はまるで・・・そう、自慰でもしてるかのようだった。
恍惚として死を求める。
俺はあの人に叫んだ。
「早くなんとかして!!」
もう時間がなかった。
「どうする?焼いた方がいいのか?」
スーツがイアホン越しに尋ねてくる。
焼く。
そうだ。
国は全員殺した方が面倒がないと思っているのだ。
この信者達を使った働きで選挙や政治運動を優位にした政治家達も権力の真ん中にいるはずなのに。
邪魔になった道具は捨てられるだけなのだ。
そう、信者達を利用していた教団でさえ・・・利用されているだけのものなのか。
「なんとかして!!」
俺はあの人に懇願する。
あの人だけだ。
なんとかできるのは。
誰もこの人達を救いたいとさえ思っちゃいない。
頼れるのは快楽殺人鬼のこの人だけなのだ。
お願い。
助けて。
この人達を。
「・・・お前が望むなら、僕はそうする。いつだって」
あの人は俺を見て確かにそう言った。
生真面目な口調と真っ直ぐな視線。
あの人なりの愛の言葉なのだとわかった。
あの人の銃が詐欺師に向く。
いや、でも、それじゃだめだ。
それは意味がない。
詐欺師の頭を吹き飛ばしたところで・・・洗脳はとけない。
あの人が動いた。
あの人が使ったのは銃に変化した右手ではなかった。
あの人が使ったのは・・・生身の左手で、その手は真っ直ぐ伸ばされていた。
貫手、空手などでそう言われる指先や手刀と言われる手の小指側の側面を使う手の形だ。
さらに人差し指と中指だけをのばし、他は握り込む二本抜き手と言われる形だ。
本来は目などを突くために使われる
あの人の指先が詐欺師の頭の横にある大きな傷跡に刺さった。
いや、不思議ではない。
ここの頭蓋骨を詐欺師は狂った父親に穴をあけられる手術を受けさせられている。
超能力を得るためだと。
だからここは頭蓋骨などなく、何かで代わりに塞いでいるだけだ。
頭蓋骨は砕けなくても、いや、この人なら頭蓋骨でも砕きそうだけど、とにかく、
あの人の指先は脳に突き刺さったのだ。
それも深々と。
あの人はうっとりと笑った。
「何故・・・捕食者になったのにこの傷跡だけが残っていたのかと思っていたんだよね。そんなことはおかしい。ガキの壊れた膝だって従属者になったら治った」
まるで穴をほぐす時のようにあの人は脳にささった指をかき混ぜた。
詐欺師の身体が痙攣する。
あの人は詐欺師の身体を抱き寄せ、さらに深く突き立てた。
指を。
「 」
詐欺師は喘いだ。
淫らな喘ぎ声に俺はこんな時なのにちょっと反応してしまった。
脳には痛覚がないらしい。
でも快感を感じているのかもしれない。
そうとしか思えない。
喘ぎ震える。
そらされた白い喉がエロい。
てか何、あんた何してんの?
浮気?
何そのかき混ぜ方とか、詐欺師が喘いで逸らす首とか、弓なりの背中とか、それを支える腕とか、エロいんですけど。
「あっ・・・ふぅ、ああっ・・・」
指で擦られる(脳を)度に詐欺師は声を上げた。
身体が何度となく震えているし、腰の動きもあの時みたいで・・・。
あの人にしがみつく。
指の震えさえ、いやらしい。
多分・・・詐欺師、勃ってるし、多分・・・濡れてるし・・・出してる。
脳を直接犯されてる。
あの人に。
あの人は淫らに笑ってさらに深くえぐっていく(脳を)(指で)
詐欺師の腰が揺れる。
ピンクの脳漿が零れた。
いやらしく開けられた穴から零れる。
(脳漿が)
何してんの?
「勃ててんじゃない!!クソガキ!!」
あの人が俺の股間を見て怒鳴った。
いや、浮気みたいなことしてるあんたの方が・・・俺は怒りたい。
でもあの人が深く差し込んだ指(脳に)を揺らしたら、声を上げる詐欺師がエロくて、怒ってんのに反応してしまう、自分の身体が悲しい。
いちばん深く(脳を)指が抉った。
高い声を上げて詐欺師が背中を弓なりにし、身体をふるわせて・・・イっていた。
何、コレ!!
あんた何してんの??
あの人の指が引き出された。
その指の間には・・・。
長い針金のようなものが、15センチはある細長い金属が挟まれていた。
あの人は一気にそれを引き抜いた。
それと同時に会場の音が消えた。
そう、スイッチが切れたみたいに。
滑らかな水面みたいに会場は静まり返った。
射精しながら自分の首を締めていた男も。
頭を床に打ちつけながら何度もイっていた女も。
座席にベルトをかけて、首を吊らせて体重をかけながら、酸欠の中自慰をしていた少年も。
全員がピタリと止まった。
自分達が何をしていたのかわからない、そんな不思議そうな顔をして。
次の瞬間、女は割れた自分の頭に手をやる。
ベットリとした血がその手を染める。
顔を伝って血が床に落ちていく。
ポトリ
床に血が落ちる音がした。
静寂が破れた。
女の高い悲鳴が笛のように鳴った。
それは会場全体に響き渡った時、他の信者達も口々に騒ぎはじめた。
「痛い」
「助けて!!」
悲鳴をあげ、身体がまだ動き逃げれる者はドアに殺到したがドアは封鎖されていて動かなった。
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