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妬み

また、あんな思いをするのかと思うとまるで刃物を喉に突き立てられたかのような痛みが走って、息が詰まる。 ……正直、ルリ君なんて嫌いだ。 こいつらに、何かされたって知るもんか。 それで学校に来なくなるなら、僕にとっても都合いいんじゃないだろうか。 それに呼ばなかったら、自分がどんな目に遭うか判ったものじゃない。 そう思うのに、投げられた携帯に手が伸ばせない。 「で、電話……し、ない」 ようやくひねり出した声は情けないほど震えてしまった。 そんな僕の姿をあいつらが面白そうに笑う。 「へぇ?じゃあお前はどうなってもいいんだな?」 「別に俺はお前をめちゃくちゃにして、お前をだしにサボり姫を呼び出すこともできるんだけど?」 「俺らの優しさなんだけどなぁ?呼び出すことができたらお前のこと見逃してやるのに」 怖い。呼吸が、苦しい。 でも、大丈夫。ルリ君の携帯は僕が持ってるから、ルリ君は呼び出されない。 「僕は、も…裏切りたくない…」 そう言いきると、横っ面を思い切り殴られた。 「………っは」 息が苦しい。 過呼吸になるんだと思う。 何度かなったことがあるから、わかる。 でも奴らはお構いなしにゲラゲラと笑い僕の服に手をかけた。 怖くて、目をぎゅっと閉じた瞬間、カラッと静かにドアが開く音がした。 「なにやってるの?」 透き通った綺麗な声に、目を開けるとルリ君が今まで見たこともないような怖い顔で立っていた。

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