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俺のもの

────────── 暖かい温もりに包まれて、気持ちよぐっすり眠れた気がする。 それなのに目が覚めて、感じたのは爽快感はなく、絶望感。 目の前には、保健室の王様と呼ばれるオレの好きな人。 オレはなぜか全裸だし、せんせーも上半身は何も着てないし。 いつかのように抱き締められてるし。 まって、昨日何があった? ……いや、覚えてる。覚えてるけど、思い出したくない。 お風呂場で、イっちゃった……よね?その後の記憶が怖いくらいすっぽり抜けてる。 せんせーに引かれた。絶対引かれた。 ただでさえドン引きされるような現場見られてるのに。 てか、後ろで感じるとか。なんなの。 前みたいに媚薬を盛られたわけでもないのに。 キモいって思ったに決まってる。 ああ、いやだ。考えれば考えるほど、背筋が凍る。 どんな顔して接しろって言うの。 とりあえず、どうにか服だけはせんせーが起きるまでに着たい。 腕の中からなんとか抜け出そうと、そぉっとせんせーを起こさないように手を持ち上げる。 「………………っ」 すぐにぐんっと抱き寄せられ、ぴったりと肌がくっつく形になった。 悲鳴さえあげなかったものの、心臓が飛び出るかと思った。 そんなオレの気も知らず目の前の綺麗な顔は気持ちよさそうに寝たままだし。 オレの体をすっぽり包む体は服の上からは分からなかったがっしりとした筋肉に覆われていて、ダイレクトにその感触が伝わって、恥ずかしさが増す。 今度こそ、もう抜け出せない。 もう、本当に、むり。鼓動が早く動きすぎて苦しい。 意を決してせんせーを揺らした。 「せ………せんせ。おきて………」 情けなく声が震えてしまい、恥ずかしさから泣きそうになる。

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