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俺のもの

リビングに行くとソファにオレの鞄があった。 制服を拾ってくれたくらいだから、鞄も持ってきてくれているだろうと思ってたけど、なんだか改めて、申し訳ない気持ちになる。 中を確認すると案の定累くんに預けたスマホが出てきたから、やっぱり累くんがせんせーを呼んでくれたんだとわかる。 ってことは、累くんは大丈夫だったんだと、ようやく確信が持ててほっと胸を撫で下ろした。 携帯のロックを解除して、累くんにメールを作成する。 「昨日は大丈夫だった?せんせー呼んでくれてありがとう~。おかげで助かったよ」 顔文字をいれたりしてあくまでライトな感じで送信した。 ただでさえ不登校気味っぽい累くんが、あのことが原因でよりいっそう学校に来にくくなったらどう責任をとっていいのかわからない。 オレは、何もなかったということにしなければならないし、弱いところを見せてはいけない。だれにも。 これはオレがなんとかしなきゃいけない問題。 そんな思いとは裏腹に昨日のことを思い出すと情けなくも手が震え、ぎゅっと握りしめた。 せんせーへのフォローも、累くんへのフォローも、そしてあいつらとの問題も。 オレは、うまくやれる。 ずっとこれまでもうまくやって来たのだから。

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