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臨海学校
『好きにしたらいい。そしたら、あんたらがしてきたこと全部バラしてやる。わかりやすい跡を残してくれたおかげで、証拠も証人もいる。
学校退学させられても、イギリスに戻されてもオレはもうあんたらのいる家には帰らない』
半分、ハッタリだ。
それでも世間体を気にするこいつらならきっと通用する。
今まで抵抗も何もしなかったオレからの言葉に電話から息を飲む音が聞こえる。
オレも手に汗を握った。
『…………お前の言い分はわかった』
長い沈黙の末、たった一言どう捉えていいのかわからない言葉を残され、一方的に電話が切れた。
ツーツーと1秒か2秒音が響いて、無音になる。
その瞬間、くらっと目が眩んでソファに倒れ込んだ。
息を忘れていたんじゃないかと思うほど、呼吸が荒くなる。
ぶるぶると膝が笑っていて、しばらく立てそうになかった。
あんな行為、もうなんとも思わないって思ってたのに、いざ向き合ってみるとこんなにも弱かったなんて。
それでも、オレは今から乗り換えるんだ。
自分だけの力で。
そうと決まれば、まずはお金だ。
親からの仕送りは入学金と、部屋を借りた時の敷金礼金以外は、手をつけずどうにかバイトのお金だけで間に合わせてきた。
なんとなく、あいつからからのお金を触りたくなくて。
今働いてるBARはかなり給料はいいけど、それでも、学費に生活費とかなりギリギリの生活だ。
ちゃんと自分の力で生きていくために、今から念のため仕事を増やそう。
万が一にもイギリスに戻されたとして、もう義務教育は終わってる。
就職になるはずだ。
そしたらすぐ日本に戻れるくらいのお金は持っていたい。
今学校が夕方に終わって、BARのバイトを土日含めて夕方から夜中まで入れていたから、土日の昼間で時給のいい仕事探さなきゃ。
オレは、きっと今を乗り越えたら自由になれる。
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