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腕の中

千さんが達して震えるオレの体を優しく抱き締めてくれる。 「拭くもの持ってくるから、まってろ」 額に汗で張り付いた前髪を指でどかして優しく撫でられた。 「千さん………い、挿れないの?」 「お前体力ないし怪我してるんだから、辛いだろ」 「オレが、き………」 「汚いからって言ったら、無理矢理でも襲うから言うなよ」 いいかけた言葉を続けられて、言葉を飲む。 千さんは呆れたようにため息をついた。 「大体、したくないわけねぇだろ。お前のエロい姿みて反応してるんだから」 言われて、ちらっと目に入った千さんのモノはズボン越しでも角度をもってることがわかってしまい、顔が熱くなる。 オレで、反応するの? そう思うと、また心臓が締め付けられた。 「千さん、痛くてもいいから……」 「っお前なぁ……」 「オレ、千さんとしたい」 ぎゅっと千さんのシャツをつかむと、千さんが息を飲むのが聞こえた。 「今度はやめてやれねぇからな」 とん、と優しくベットに倒され、カチャカチャとベルトを外す音がする。 千さん、本当にいやじゃないのかなとか、やっぱり心配になってしまう。 「リチェール、愛してる」 「……………っ」 近い距離で囁かれ、すぐ唇を奪われた。 くちゅくちゅと、口内を犯されてると段々頭がぼうっとしていく。 「んぁ……っ」 指がつぷと中に入って、息がつまった。 小さい頃からずっと慣らされることもなく無理矢理入れられてきたそこは何の抵抗もなく簡単に受け入れて、恥ずかしくなる。 もう何度も何度も繰り返し父さんの汚いモノを入れられてきたそこに、千さんが触ってることが、やっぱりどうしても汚してしまうようで、怖くなった。 「また余計なこと考えてるだろ」 「あぅ……っ」 指を一気に2本増やされ、思わず千さんにしがみつく。 ふ、と笑う声が聞こえたけど、激しく指を動かされ、なにも言えない。 「そうやってバカなこと考えてないで、俺にしがみついとけばいいんだよ」 「や……!っぁん………あ、あっせん、さ……っ」 口調は偉そうなのに、空いてる手でオレを優しく撫でてくれる。 「いれるぞ」 そう囁かれて、ぼうっとする頭のままなにも考えず頷いた。 すぐに、今までとは比べ物にならない圧迫感を感じて思わず千さんにしがみついた。 「んん、あ………っ、せんさんっ」 「リチェール、息吐け。痛くしないから」 言われた通り息をゆっくり吐くと、ずんっと一気に奥にいれられ背中がびくっと反った。 「ひ……っん」 痛くはないけど、今まで触れられたことのない奥にまで熱が届いて、圧迫感が少しくるしい。 いつもみたいに笑う千さんもなんだか余裕ないように見えた。 「リチェール、痛くないか?」 「っん、だいじょうぶ……」 顔を覗きこまれ、ぎゅっと体に力が入る。 怖くないかとか、痛くないかとか、本当に千さんはそればかり。 オレなんて乱暴にされるのはなれてるのに。 「動かすぞ」 「っや、待………っんぁ」 敏感な所をいきなり突かれて、また言葉が途切れる。 もう、やだこの声。 激しいのに乱暴ではなくて。  痺れるような快楽に体が言うことを聞かない。 何度も奥を突かれ、さっきいったばかりなのに、また体の熱が集まって、苦しい。 「せんさ………っやだぁ……!また、いっ、ちゃう……とまってぇ……っ」 「っは。いけよ。感じてるリチェールすげぇかわいい」 「ん、あああ__ッ」 苦しそうに笑う千さんが激しさを増して、またすぐ達してしまった。 それなのに、千さんは動くのを止めてくれなくて、暴力的な快楽がすぐに押し寄せてくる。 「も、とまって………っきついよぉ……!千さ……っも、気持ちよく、しないでぇ……っ」 「………………っ」 「んぁっ!」  一気に引き抜かれて、またびくびくっと体が反ってしまい、足を閉じた。 温かいものが太ももにかかって、ボーッとする意識のなか、達したのに中に出さなかったんだとわかった。 「なん、で……中に出さないの……?」  「当たり前だろ。キツいのはお前なんだから」 本当に千さんはオレを大切に扱ってくれる。 心に染みてまた少し涙が溢れてしまった。 千さんは優しく笑ってオレの額にキスを落とした。

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