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穏やかな昼過ぎ
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コツン、と肩に何かが触れて、ふと意識を取り戻した。
いつの間にか寝てしまっていたらしく、画面にはエンディングが流れていた。
隣をみればリチェールも寝ていて、俺に寄りかかっている。
まぁ眠くなるよな。
さすがに映画4本目も続けてみると。
時計を見ると0時を回っており、いくら昼寝したからって眠くなる時間だった。
俺にもたれかかって眠るリチェールを起こさないように抱き抱えてベットまで運ぶ。
相変わらず心配になるくらい軽くて、あの日に減量した体重は中々戻らないせいで以前よりまた少し体調を崩しやすくなった気がする。
これだけ軽いと、体が弱くて当然だけど。
「ん………せんさん……?」
「起こしたか。もう少し寝ろ」
「うー………」
眠たそうに俺の胸に顔を埋めてくる。
「千さんも、ねる?」
「ああ。もう寝る」
「一緒に寝よー」
最近はいつもそうだけど、リチェールは二人で寝るようになってからもダブルサイズのベットの端によって離れて寝るくせに、寝たら無意識なのかすり寄ってくる。
そんな天の邪鬼なこいつが自分からこう言ってくるのはめずらしい。
「いつも一緒に寝てるだろ」
一服してから寝ようと思ったけど、やめて俺もベットに入る。
リチェールがぎゅっと俺の服を握って穏やかに微笑む。
「今日はたのしかったねぇ。しあわせ」
随分お手軽な幸せだなと思う。
たぶん家事をさせないでごろごろさせたことじゃなくて、昨日の一日反省させるために無視した後だから、余計に普通にDVD見るだけで、こいつは嬉しいんだろう。
そう思うとなんとも言えない気持ちになる。
人を好きになることなんて今までなかったから、大切にしたいと思ってもそのやり方がわからない。
こんな俺をどうしてこいつはこんなに好きなのかとつくづく思う。
それでもこいつを幸せにするのは俺だけだ。
幸せそうな眠る小さな顔に口付けて俺も目を閉じた。
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