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嫉妬

「……っにしてんの!?」 それが男の力かよと聞きたくなるくらいか弱い力で押し返され、はっと笑う。 そういえば、ルリ倒れるくらい体調悪いんだった。 さっきまであんなに心配だったのにもう好都合としか考えれない。 「ずっと好きだったよ。 ルリさぁ、ひどいよね?俺の気持ち知ってて月城のこと好きとか言ってさ」 「い………っいたいっシンヤぁ!」 細い首筋に容赦なく噛み付くと、ルリが聞いたことないような高い声を出す。 女の子とするときは割りと優しくできていたはずなのに、ルリは泣かせたくなるような顔してる。 「ルリ、かわいい。 月城やめて俺にしなよ。どうせルリにも適当にいいこといってんだろうけど、たくさん遊んでるうちの一人だよ? 俺はこんなにだれかを求めたのはルリが初めて」 「何言ってんの……や、めろって…っん」 服を捲り上げて、綺麗なピンク色の乳首を舐めると、ルリがびくっと揺れた。 「なにその声、かわいい」 泣き顔も、声も、全部煽ってるようにしか見えない。 一生懸命嫌がってるのはわかるけど、まだ目が回るのか、体もふらついている。 「ほら、水。やってる最中に倒れられたら困るから」 シャワーの水を頭からかけると、んっと息を止める。 乱れた服に、濡れた体でルリはやめてと、高い声を出した。 そんなのなんの抵抗になると言うのだろう。 この状況が怖いのもあるんだろうけど、俺がこんなことをするのがよっぽどショックだったらしく、何度もシンヤ、お願いやめてと悲痛な顔で繰り返していた。  「オレ、シンヤとは友達でいたい…….っ」 「……は、今更、友達とか。馬鹿にしてんの」 ルリが俺をこうしたくせに?と言えば、微かにその瞳は傷付いたように揺れた。 捲り上げた服の下から見える綺麗な体。 真っ白なきめ細かい肌は手を滑らせればシルクのような上質なさわり心地で、今から汚すんだと思うと、ぞくぞくと震えた。 さっき噛みついた首筋は青紫に鬱血して、白い肌に目立っていた。 細いウエストに舌を這わせると、一番細いくびれた所に容赦なく噛みついた。 「い………っ!!」 「ルリ、いたいの?」 ああ、本当に痛がるルリの顔って最高にそそる。 何ヵ所も何ヵ所も舐めたり噛み付いてるうちに、だんだんルリが声を我慢するようになってしまった。 でも、白い肌にはたくさんの乱暴な俺のあとが残っていて、疲れきったルリはさっきよりエロくなっていた。 「ルーリ、泣かないの?」 「…………っるさい」 やめてシンヤとは言わなくなったけど、ルリは強気に首を背けた。 なんとなく、面白くない。 「俺さ、本当にルリが好きだったんだよ。大切にしたいって思ってた」 ルリの腹に巻かれていた包帯からは、なんの傷かわからないけどじんわり血が滲んでいた。 そこに手を這わせ、強く押さえつけた。 「………っぐ」 血が溢れて、ルリが息を呑む。 「今はね、めちゃくちゃに壊して俺のものにしたいって思ってる」 ルリは泣きそうな顔でそのグリーンの瞳に俺を映した。 そんな目で見るなよ。 興奮する。 ちんこが痛いほどガチガチだった。 早く挿れてもっと声が枯れるまで啼かせてやりたい。 手を縛ってやろうと一瞬押さえつけていた手を緩める。 その瞬間、ルリの両手が俺の右手を掴んで引き寄せられた。 そう思った次の瞬間にはルリの足が俺のこめかみにぶつけられ、視界がひっくり返る。 俺がうつ伏せで倒れる背中にはルリが乗り上げて俺の手を捻りあげていた。 「………オレはシンヤのものにはならないよ。 優しいシンヤにこんなことさせちゃってごめんね」 信じられない思いでルリを見上げる。 その顔は真っ青で今にも倒れそうなのに、まるで生きていないような冷たい瞳で俺を見下ろしていた。 「は!?お前、動けたの……!?」 「あの人以外に抱かれるなら、死んでもいいから動くよ」 そう言えば、いつだかルリを見て小動物みたいだと言った俺に雄一が言っていた。 "ルリは、俺とお前2人で喧嘩ふっかけても勝てないくらい強いから小動物の皮を被った野獣だと" あの言葉は冗談じゃなかったんだ。 そのままルリは俺がルリを縛ろうとしていたベルトで俺の手を固定し立ち上がった。 「時間をかけたら、1人でも解けると思う」 「まてよ!ふざけんな!!」 出て行こうとするルリに叫ぶと、一度だけ振り返って「ごめんね」と呟き、ルリは腹の傷を押さえながら壁に手をついてよろよろ出ていった。 「____っルリ!ごめん!!全部謝るから!!友達に戻ろう!!」 今逃してしまったら、もう2度と会えない気がして叫ぶけれど、ルリはもう振り返らなかった。

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