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新学期
「ん、………う、う」
まだ前を触られてすらいないのに、千さんの手や舌が触れるだけでいつもより敏感に体が反応してしまう。
歯痒い快楽が続いて、早く前を触ってほしいってさえ思えてくる。
千さんの舌が下に行くほど、ぴくぴく揺れてしまう腰が恥ずかしい。
ウエスト、腰、それから太ももに口付けられ、くすぐったいようなむず痒さに涙が滲んだ。
「────っんぅ」
その舌がやっとオレのものに触れたとき、電気が走ったように痺れて、思わず逃げるように腰を浮かしてしまった。
けれど、すぐに手で固定されてしまい、きつく吸われた。
「ん────っ!んっん、んんっ」
びくんって体は反ってしまうのに、千さんは断続的に口を動かして、もうイッてしまいそうだった。
千さんの口に出すなんてあり得ないって思うのに、もう我慢のしようがないくらいの刺激に、首をふって手で千さんの頭を押し返そうとするのに、力が入らない。
やだ、千さんの口に出したくない。恥ずかしい。
その思いだけで、涙が溢れそうになった顔を隠すと、下の刺激がぴたっと止んで、手を退かされた。
「リチェール、顔は隠すな。
お前が本当に怖がってても気付けねぇだろ」
真剣な表情に至近距離で見つめられ、かぁっと一気に顔が熱くなった。
怖いわけないじゃん。千さんとしてるのに。
そう言いたいのに、くわえたハンドタオルが邪魔で言えない。
ちゅーしたいのに、できなくてもどかしかった。
「リチェール、体制変えるぞ」
「────っん」
でも、ハンドタオルを退かしたら声を我慢できる自信もない。
ころんと、体をうつ伏せに反転させられ机に上半身乗り上げてまるで自分から挿れられるのを待ってるみたいな体制になる。
恥ずかしくて、体を起こそうとしたけどすぐに後ろに感じた圧迫感にそんな余裕すぐなくなってしまった。
「んんっ!ん、んんぅ」
「まだ指2本だろ。
後ろ、すごいことになってんだけど。お前の体どんどんエロくなってくな」
心で悪態つくとすら出来ないくらい頭が真っ白になる。
静かな空間に響く水音が耳を塞ぎたくなるくらい恥ずかしい。
ぎゅっとつぶってた目を少し、開けると前は大きな鏡があって、今していることをダイレクトに映していた。
鏡越しに千さんと目があって、ずっと顔を見られてたんだと思うと、恥ずかしすぎて泣きそうなくらいだ。
顔を見られないように、机に顔を埋めると、後ろからさっきとは比べられないくらいの圧迫感が押し寄せてびくっと思わず顔をあげてしまった。
「んんんっ!んー!」
挿れられてることに気付いた瞬間、奥のいいとろこに当たって、その瞬間達してしまい悲鳴のような声が喉でなった。
「あーあ。せっかくイくの我慢してたのにな?」
見透かしたように笑う意地悪な声に、キッと睨んでみたけど、涙が溢れた顔で迫力はないだろう。
「は。なにその反抗的な顔。かわいい」
「んーっ!ん、ん、っんん」
いったばかりなのに何度も奥を突かれ上ずった声がハンドタオルから漏れてしまう。
「ひんっ」
後ろを突いたまま、前をいじられ目がチカチカした。
「………っリチェール、締め付けすぎ。息吐け」
そんなこと言って、手は止めてくれないくせに。
息をはく余裕なんてあるはずがない。
もうだめ。今イったばかりなのに、また込み上げてくる暴力的な快楽と同時に千さんもいったのを感じた。
その瞬間を最後にオレは意識を手放してしまった。
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