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すごく
リチェールside
合鍵で千さんの家に入ると、大好きな匂いに包まれた。
部屋は広いのに相変わらず物が少なくて綺麗だ。
先にお風呂を掃除してお湯を出すと、溜まるまでにご飯を作ろうとカーディガンとネクタイを取って白地に黄緑のストライプのエプロンを着けた。
アルコールで軽くキッチンを拭いて、チキンライスを作る。
卵は千さんが帰ってきてからお風呂入ってるうちに作るとして、サラダはシーザーサラダでいいかな。
食パンをカリカリふんわり焼いて、少しボリュームのあるクルトンを作ってサラダにのせた。
オムライス用にデミグラスソースを作って、煮込んでる間にコンソメスープも作る。
広くて使いやすいキッチンだとあっという間に出来てしまった。
迷惑かけたし、オムライスみたいな一品ものじゃなくてなんでもたくさん作るのにな。
千さんが遅くなるって言うってことはあと一時間はかかるはず。
暇だから、余った野菜とミンチを使ってミニハンバーグも作ることにした。
ハンバーグにオムライスって、なんだかお子さまランチみたい。
いたずら心で要らない紙と爪楊枝で作った旗に羊を描く。
千さんどんな顔するかな、と一人笑ってるとピンポーンと音が響いてインターホンに駆け寄る。
見ると、蒼羽さんがにこにこ笑ってカメラに向かって手を降っていた。
「蒼羽さん!」
「リチェール?千いるー?」
「もう少ししたら帰ると思うよー。
上がって待っててー」
自動ドアをボタンを押して開けると、入ってくるのが見える。
エプロンを外してハンガーにかけると、玄関に向かった。
鍵を開けたタイミングでドアが開いて、蒼羽さんがにこっと笑う。
「リチェール久しぶり」
「久しぶりですー。
蒼羽さん、お茶いれるからソファでテレビでも見ててー」
「いい匂いするね。今日のご飯なに?」
「オムライスハンバーグ。
作りすぎちゃったから食べてってねー」
話ながら廊下を進んでリビングのソファに腰かけた蒼羽さんにお茶を出した。
料理で使った道具を洗ってるとちょうどお風呂がたまった音が鳴って、やることが全部終わってしまった。
「なにか面白い番組をあったー?」
「んー。ないね。リチェールなんか面白いことしてよ」
「あはは。無茶ぶりー」
蒼羽さんの隣に腰かけて、ぼんやりテレビを見る。
千さん早く帰ってこないかな。
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