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コタツ

リチェールside ソファでそのまま寝てしまった純ちゃんを客間に敷いた布団に運んでもらおうと席を外してくれていた千を呼びに寝室に向かった。 案の定、千は起きてて本を読んでた。 「千、純ちゃん寝ちゃったから運んでもらっていいかな?」 「ん」 すぐに立ち上がって、リビングについてきてくれる。 千が純ちゃんだっこして、暖房で暖めていた客間の布団におろすと、純ちゃんは少し眉をぴくってさせて、『まさひと……?』と言ってまたスースー寝息をたて始めた。 やだもう可愛い。今の雅人さんに見せてあげたい。 オレ、もし千と出会ってなかったら純ちゃんに恋してたかも。 「ありがとー。千、寝れないなら暖かいミルクいれようか?」 「いやいい。それよりリチェール」 寝室に向かって歩きながら話していると、千にぐいっと手をひかれ、壁に押し当てられる。 「え、なに?」 千の近い顔にドキッとしたけど、千の顔が少し怒っていることに気がついた。 「誰がビッチだって? 自分のことそーゆー言い方したら怒るって言っただろ」 「えっ聞いてたの?」 「たまたまキッチンに行こうとして聞こえたんだよ」 千の低い声に、だらだらと冷や汗をかく。 オレが日本にいるために自ら父さんに抱かれにイギリスに帰ってたこと知ってるくせにビッチっていうと怒るとか相変わらず意味わかんない。 「う。ほんとのことだもん。 どんなに千がオレのことよく言ってくれたって、オレがしてた汚くてズルいことは、否定できないよ?」 「ああ、そう。 じゃあリチェールがズルいビッチかどうか体に聞いてみるか」 えっ、と思うにはもう遅く、ベットに押し倒されてしまった。 「ちょっと、純ちゃんいるのに。やめようよ」 「そうだな。声、我慢しろよ」 服の中に千の手が滑り込んできて、びくっと体が反応する。 「慣れてんなら、声我慢できるよな?」 パニックになりながら、やめて、と千を見上げると、サディスティックな笑みを浮かべて見下ろされ、ひくっと顔がひきつった。 「ご、ごめんなさいー!慣れてないからやめてー!」 「だめ」 本当に、人を好きになるなんていいことばかりじゃない。

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