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信用
カズマさんがオレの上にのしかかって、服に手をかけられる。
ああ、やっぱり。
父さんと重なってどうしもなく切ない気持ちになる。
「…………カズマさん、さっきは本当にごめんなさい。でも、こんなことして傷付くのはあなただよ。お願いやめて」
「今更何言ってんの?何にも響かないんだけど」
体を押し返そうとするけど、手がしびれて力がでない。
オレがちゃんと抵抗できるくらい強かったら傷付けずに済むのに。
「ルリ、俺が彼女に捨てられた日慰めてくれただろ。
客にいたずらされた日、励ましてくれたじゃないか。
ルリが悪いんだよ。こんなに優しくしたくせに、裏切るから」
「……………っ」
するっと服のなかに手を忍ばされ、指が胸の突起の触れた瞬間、痺れるような感覚に身を震わせた。
その感覚に、媚薬かと気付いてしまう覚えのある体もすごくいやだ。
ふーっと息を整えて、窓の外を盗み見る。
たぶん、チャンスは一回だ。
手をぐーぱーさせて、少しならすとカズマさんの両肩を思いっきり引き寄せた。
「がは……っ!?」
怯んだ瞬間に鳩尾を蹴って、横っ面を左のドアに叩き付ける。
上から重心が退くと運転席側にカズマさんの体を蹴りながら移った。
「…………っこの!!」
そのまま事前に確認してたところにあるドアの鍵を開いて、ドアが開くその瞬間。
後ろから髪を捕まれ、乱暴に引き戻された。
「お前まで俺をバカにするな!!!」
バシッと平手打ちされて、ドアから鍵のしまる音が響いた。
「さっさと縛り上げたらよかったよ!」
うつ伏せに頭をシートに押さえ付けられ、それだけで力負けしてしまい抵抗がままならないまま、カシャンと音と共に右手首にフワフワの感触がしてそれをシートバックとヘッドレストを繋ぐ金具に通され、左手も拘束される。
顔を押さえれてた重みがなくなり起き上がろうとすると、手錠が通されてしまっていて、体が震えた。
「……………っや、めて」
「やめない。何から試そうか。俺ちょっと怒ってるんだよね」
「う…………っ」
手首をシートに固定されうつ伏せで動けないまま、口に布を押し当てられた。
さっきの甘い匂いが強くしてぐらんと視界が歪んで否応なしにシートに沈んでしまった。
「ルリさぁ、俺の仕事に協力してよ。
てか優しいんだからしてくれるよね?商品の感想俺に分かりやすくして?」
かちゃかちゃと、ベルトが外され抵抗もできないままするっとボトムと下着をを脱がされた。
服も、着ていてニットを上にあげられ、固定された両手首で止まり、外も見える車で全裸になったことに羞恥で震える。
"リチェールのこと信用してるからな"
千のつい昨日の声が頭で再生され、じわっと泣きそうになる。
「ルリー。俺がこの間客に入れられそうになったアナルビーズなんだけど、入れたことある?」
「………や、やだ………っ」
「大丈夫。ちゃんとならしてから入れるから痛くないよ」
後孔にピトっと小さくて冷たいものを押し当てられ、ひっと息を飲んだ瞬間中に冷たい液状のものが中で広がった。
「ひゃ………っ」
冷たさにビクッと体を震わせると、カズマさんは面白そうにクスクス笑う。
「可愛い反応。あの人はいつもこんなルリを見てるのかな。ズルイ」
千のことを言ってるのだとわかったけど、千のことを今思い出すと余計に涙が溢れてしまいそうでぐっと堪えた。
指が入れられ、先に直接入れられたローションがぐちょぐちょと嫌な水音が狭い車内に響く。
「…………ぁ……っん……」
敏感になった体は卑しく反応して漏れてしまう声が悔しい。
お願い。もう少しで、千と二人暮らしも始まる。
オレは千に心配されなくて済むようになりたいんだよ。
「うん、慣れたかな。
ルリー、アナルビーズ入れるけど、一番大きいのでいいよね」
「い……っやだ……やめ…」
「やめない、ってば」
ズンっと押し寄せた圧迫感に悲鳴のような声が鳴る。
いやだ、いやだと叫んでも止めてくれない。
でも必死に抵抗した。
「ルリ男だしちょうどいいや。
尿道バイブも試させてよ」
苦しくて仕方ないのに目の前の男は楽しそうにオレの体に色んなものを試していく。
ねぇ、カズマさん。
オレがカズマさんを信用してた一番の理由はオレと同じだと思ったからなんだよ。
怖い思いして、傷付いたはずなのに、なんでこんなことできるの。
まるで、オレのことモノのように。
"こんなことするつもりなかったのに"
断った時のカズマさんの傷付いた表情が頭によぎった。
……違う。オレだ。
オレが、傷付けたから、こんなことさせちゃったんじゃん。
あの時、カズマさんはSOSを出してたのに、変な疑いの目を向けて、オレのこと信用して頼ってくれた人に酷い裏切りをしたのは、オレだ。
「………っご、めんな……さい」
「今更謝ったって、遅ぇよ」
ガチャガチャとベルトを外す音が聞こえて、無理矢理貫かれた。
「っぁあ……!や、めてぇ!!おね、が……っあっ!」
悲鳴がこぼれてしまって、カズマさんはお構いなしに腰を打ちつけてくる。
噛み締めた唇から、血の味が広がった。
くそ。
ちくしょう。
どうして、オレはいつも。
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