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余波
千side
ちゅっちゅっと音をたてて顔や首に唇を落としてくるリチェールは俺を真似してか片手でシャツのボタンを外そうとして来た。
女を抱いたこともない童貞のくせに俺の真似ばかりしようとするから、ひとつのボタンすら外せなくて何度もチラチラ下を見て、ハッとしたようにキスをしてくる。
ついには諦めて上体を起こして両手ボタンに手をかけた。
その必死な様子に耐えきれず、吹き出してしまいそうな口元を手で押さえて顔をそらした。
けれどリチェールは気付いてしまったらしく目が合うと、ただでさえ赤い顔を更に赤くする。
「わ、笑わないでってば!」
無理だろ、この可愛さで笑うなとか。
「おま……っかわいいな……いてっ」
笑いを必死で堪えながら言うと悔しかったのか、かぷっと首に噛み付いてくる。
「……なんでこんなに余裕なの?オレばっか好きみたい……」
悔しい、と小さく呟いて寂しそうに顔を曇らせるリチェールにムラっとして浴衣から覗く白い太ももに手を滑らせた。
「だめ!今、お仕置きしてるの!」
けれどあくまで主導権を握りたいらしいリチェールに振り払われてしまい肩を竦める。
「オレ以外の人とキスしたのにどうでもよさそうにしたことと、笑ったこと反省してくれるまでやめないからね」
「はいはい。気がすむまでどーぞ」
「む、むかつく……!」
ぐっと下唇を噛んで、リチェールがまた怒りをぶつけるようなキスをして来た。
舌を絡めとって犯したい気持ちをグッとこらえて、下手な舌使いに委ねる。
唇を話すと、息苦しかったのか小さく呼吸を整える顔は色っぽい。
どうしたらいいのか分からないことが、丸分かりなたじろぐ手はそろそろと俺の体を撫ではじめ、小さな舌がチロチロと這った。
お仕置きとか豪語したわりには俺が苛めてる気分になるほど、泣きそうな顔で一生懸命なリチェールを思わず撫でてしまう。
もう癖になってるのか、俺が撫でた手に気持ち良さそうに頬を擦り寄せてきて、ハッとしたように顔を背けた。
はだけた浴衣とか無駄にエロくて脱がしてしまいたいような、勿体ないような葛藤が生まれる。
「そんなに見たらダメ……。恥ずかしい」
俺の少し反応したモノを取り出して、長い横の髪を耳にかけるとリチェールがちゅっと一度口付けして赤い舌を覗かせた。
「ん………ん、ん」
間違いなく下手なのに、一生懸命なエロい顔にどんどん熱が集まっていく。
「っは、人のもん舐めといて、なに腰も揺らしてんの」
上体を起こして浴衣の上から固くなってる乳首を指でコリコリ転がした。
「あ……っあ、だ、ダメ……千は、触っちゃだめぇ……」
「こんなに触ってほしそうにしてるのに?」
「ぁんっ」
きゅっと摘まむと、びくんっと分かりやすく揺れる体に、ゾクッと欲が込み上げる。
「言っとくけど、俺だって怒ってるからなリチェール」
「ふ、ぇ……?」
とろんとした瞳を向けてくるリチェールを一度抱き上げて、下に押し倒す。
鎖骨まで大きくはだけた浴衣は、大切なところは上手に隠していて焦れったい。
「千、だめ!今日はオレ怒ってるの!オレがす……んぅっ」
押し返そうとして来た生意気なリチェールをキスで無理やり黙らせて、浴衣の帯に手をかけた。
簡易的な帯は少し引っ張るだけで簡単に解けてしまい、そこから覗いた白い太ももに手を滑らせる。
それから違和感に気付いてピタッと手が止まった。
「千……?」
抵抗してたくせに、しないの?と言うように甘える目で見てくる。
「お前、今ノーパン?」
「あ……っ」
思い出したと言うように分かりやすく赤くなる顔に、ぷつと理性が飛んだ気がした。
「だ、だって、パンツまで濡れちゃったから洗濯してて……それに純ちゃんが浴衣は下着を着けないって……!」
必死にはだけた浴衣を押さえながら言う姿に余計に煽られる。
「最初っからこーゆーつもりだったんだろ」
「ち、ちが………っあ、ぅ」
耳を噛んだだけでびくびく反応するリチェールの抵抗は弱く簡単に押さえ付けてしまえる。
そのままリチェールの足を曲げて左右に開いた。
「は……本当に何も履いてないんだな」
「見ちゃだめぇ!やだ!やめてぇ!」
必死に浴衣を引っ張って隠そうとするリチェールの手を退かして、反応しても相変わらず小さいそこを口に含んだ。
「あっあ、あ……ぅ、だめぇ………っ」
だめとか言いながら弱くなった抵抗に、素直じゃないと小さく笑った。
吸ったり舐めたり、リチェールが好きなやり方でそこを犯してると、ひくつきだした後孔に指を差し込んだ。
「ひぁ……っ……ん、んんぅ……」
「リチェール、何に怒ってたんだっけ?」
「…ふ、ぅ……っ」
薄く笑って嫌みっぽく聞くと、リチェールが涙目で睨みあげてくる。
まさか佐倉相手にここまで妬くとは思わなかった。
もう少しいじめても良いだろうか。
「せ、んは……」
そんなことを考えなから愛撫していると、途切れ途切れに名前を呼ばれ顔をあげた。
「オレが他の人に……抱、かれても……体の心配はしてくれるけど妬いたりしないもんね……っ」
「………あ?」
「好きな人としか、こういうことしたくないって思うのは………どうせ、オレだけ……っひんっ」
リチェールの言葉にイラッとして前立腺を乱暴にぐりっと押した。
他の奴に犯されたリチェールを見て俺が何とも思ってないって……?
ハッと歪んだ笑いが溢れる。
どうやらリチェールは徹底的に苛められたいらしい。
それなら、望み通りに。
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