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余波
───────
「ひ……っやぁああ───ッ!!」
何度目かの精を出すリチェールを冷ややかに見下ろした。
体力のないリチェールは辛そうに喘いで体に残った僅かな力で必死に抵抗する。
敏感な体は分かりやすく反応して、微力な抵抗など男を煽ってるようにしか見えない。
これを見られて俺が、何とも思ってないって思えるなんてこいつも大概バカだ。
「なん、で……怒るの……っ千が悪いのにぃ~」
涙でぐちゃぐちゃの顔を枕に押し付けて泣く。
「リチェールが悪い」
「んああっあ、あ、やだっ!やだぁっ」
グリグリそこを押せばもう嫌だとしがみついてくる。
挿れてる時もそうだけど、抵抗しても意味がないから、リチェールはキツいときこうしてる相手にすがってくる。
まさかこれを他の奴にしたなんて思いたくもない。
これで、俺が妬いてないって?
ふ、と笑いが溢れた。
「たしかにヤキモチなんてかわいいもんじゃねぇよ。お前に触れたかと思うといままでのやつら皆殺したくなる」
「も、やめてぇ!ん、やらぁ…っそこ、押さな……っ」
「聞いてんのか。大体、妬いて機嫌悪くなったら怯えてなにも言わなくなるくせに」
泣き叫ぶリチェールに聞こえるよう耳元で言うとそれすら感じてしまうらしく、分かりやすくびくびく体を痙攣させる。
「せ、千が悪いんだも……っオレ、他の人にちゅ……されるのやなのに……千どうでもよさそうにするから……っ」
子供のようにボロボロ泣く姿にだんだん怒りがおさまっていく。
ガチ泣きはやめてほしい。
どうしても、リチェールに泣かれると弱く、色んな苛立ちや欲を押さえて抱きしめ深くため息をついた。
「佐倉とのことはキスって認識してないからな。嫌ともなんともねぇよ」
「オレはやだぁ~」
大体、たとえば女から不意打ちでキスされても何とも思わないからリチェールに報告すらしないだろう。
そう言うのを、嫌だと泣くリチェールに正直どうしていいのかわからない。
何とも思わないものは何とも思わないんだから。
ひんひん俺にしがみついて泣くリチェールを背中をさすって慰める。
俺に泣かされて、慰められるこいつはどうなんだろう。
「千のばか……っきらい、だいきら」
「あ?」
「っごめんなさい」
今、嫌いって言ったかこいつ。
気持ちを落ち着かせるよう、ふーっと深くため息をついてみても、やっぱりダメだ。
むかつく。
抱きついて泣くリチェールの体を背中を撫でながらそっとベットに押し倒し後孔に膨張したモノを当てた。
「う……もう激しいのは、や………っ」
「優しくされたいなら、嫌いとか言うべきじゃなかったな」
さっき散々解したのに相変わらず狭くリチェールは苦しそうに息を飲む。
亀頭まで押し込むと、そのまま一気に貫いた。
「あぁあ____っ!や、やだぁ!も、やだぁあ____!」
「やだ、ねぇ」
そう言って男を誘ってるようにしか見えない。
他のやつらにもこうして煽ったんじゃねぇの。
嫉妬だけで言葉を発してたら、怒りのままに思ってもないことまで言ってしまいそうだから我慢していた。
リチェールがその時、必死に抵抗したことも、すごく傷付いたこともわかってるから我慢した。
自分の痛みにひどく鈍感なリチェールは人の痛みばかりに敏感だから、俺はせめてぶつけるような真似はしないと思っていた。
そんな余裕すらなくてぶつけた日の後悔は二度と味わいたくない。
そんなこっちの気も知らずにこのばかは。
パンっと強く腰を打ち付けると、リチェールがびくんっと反って俺の背中に爪を立てた。
「せんっ!も、くるし……っぬいてぇ……っ」
「まだ挿れたばっかだろ。我慢しろよ」
「やっやぁ───っ!!いやっいやぁっ!」
いやいや言いながらもすがる手は俺へ伸ばされてかわいく思う。
自己犠牲の塊でばかなんだから、なにも考えず、こうやってただ俺にすがっていてくれたらいいのに。
「いやぁ──────っ!!!」
足を抱えてリチェールの好きなところにぐりぐり当てると潮を噴いて中がぎゅうっとさらに締め付けられた。
「っ、やばいな」
今動かすのは可哀想だと思いつつも我慢できずリチェールの痙攣する体を包み込んで奥へ激しく腰を打ち付ける。
「やっ………っうごかな………やだぁ────っ!!」
「────っ」
リチェールが他の奴に触られることなんて嫌に決まってる。
こいつは俺のものだ。
震えるリチェールを力強く抱きしめて中に果てた。
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