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となり
一日前
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純也side
「純也ごめん。タバコ吸うから窓開けてもらっていい?」
たまたま俺が窓際に立ってたことからすでにタバコをくわえた雅人に言われ、少ししか開かない換気用の窓を開けた。
本当に微かに何か聞こえた気がした。
「………や…………て…………っ!」
悲鳴にも聞こえて、胸がざわつく。
覗き込めるほども開かない窓がもどかしく、他に窓がないかときょろきょろしてると雅人がどうしたの?と首をかしげて来る。
「雅人、なんか聞こえね?」
「んー?……あぁ、聞こえるねぇ」
耳をすませて、雅人は意味深に笑うと俺の肩を抱いて窓から離れさせようとした。
意味がわからず雅人の手を振り払う。
「聞こえるねぇ、じゃなくて!悲鳴だろこれ!つ、通報とか!」
「うん?お馬鹿なの?となり千くん達だよ?」
爽やかにバカとか言われいらっとする。
隣がルリ達だからなんだよ!
そう文句を言おうと口を開いた瞬間。
「も……ゃ、めて………っ抜いてぇ……!」
遠くて小さいけれど、ハッキリとルリの声が聞こえ、その色っぽい声に全てを理解すると同時に顔が熱くなった。
「ばーか」
黙り込んだ俺に雅人がタバコの煙を吐き出しながらバカにしたように笑う。
「バカってなんだよ!てか、ルリ嫌がってるし!助けてくる!」
雅人にもムカついたけど、今はルリを助けるのが先決だとドアに向かって走り出すと、その手前で雅人に後ろから抱き締めるように止められた。
「なに!?俺急いでんだけど!」
「あほか。邪魔してどうするの」
「はぁ!?邪魔するに決まってる!あんなに嫌がってたら強姦だろ!」
「本当に嫌がってたら千くんだってやめるでしょ。それにあれは嫌がってないっての。仲睦まじいことで、結構じゃん」
「いーや、あれはいやがってる!」
離せ、ともがくと雅人は呆れたようにため息をついて俺の体を抱き上げた。
それからぽすっとベットに降ろされる。
「どけよ!雅人!」
見上げると、雅人はベットサイドの灰皿にタバコをもみ消して睨むように不敵に笑った。
「純也はさ、さっき俺がルリくんに妬くくらい好きだって話した後でもお構いなしなんだね」
怖い顔してるのに、どこか傷付いてるように見えてズキと胸が痛む。
「大体、あれホント嫌がってる声じゃないじゃん。
めちゃくちゃ気持ち良さそうに聞こえたけど」
「で、でも、やめてって……」
「純也もしてみたら気持ちわかるんじゃない?お勉強でもしてみる?」
そう言って、雅人は妖艶に笑った。
「お、お勉強?」
「怖くないよ。大丈夫」
どこか怖い雅人の笑顔に顔をひくつかせると、かぷっとキスをされた。
意識していたせいかビクッと揺れてしまった体を包み込まれる。
「んっ」
ぬるっと舌が入り込んできて、必死に雅人の体を押し返すのに、びくともしない。
何度も角度を変えながら口内を犯され、体がじんじんする。
「……はぁ」
「エロい顔」
ぼーっとした頭で見上げると、妖艶に微笑んで優しくベットに押し倒された。
服に忍び込んできた手にドキッとして雅人の手を止める。
「や、やめろよ!」
「うん。ちゃんとやめるよ?
でもね純也、俺嫌い、別れるって言われて結構傷付いてんの」
「んっ」
ぴちゃ、と耳を舐められゾクッと体が固まる。
なにこれ。
なにこれ。
恥ずかしくて、むず痒くて、もどかしい。
「あ、やだ……っそんなとこ、さわんな……!」
雅人の長い指に浴衣の上からくりくりと乳首を弄られ、顔が一気に熱くなる。
そんなとこ、触られたことない。
なんだか、いけないことをしているようで、じわっと視界が歪んだ。
「純也、大丈夫。怖くないよ」
やめてくれないくせに声は優しくて胸がぎゅっとする。
抵抗を緩めると、雅人がいいこって言って優しくて頬を撫でるから、なぜか俺も雅人の服の裾を小さく握った。
「あ、ぅ……」
はだけた浴衣からするりと手を滑らされ、首筋を舐められる。
体全部が敏感になったように、雅人の手に、舌に、翻弄されて段々頭が回らなくなっていく。
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