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となり
「は…っあ、んんっ」
息が苦しい。
でも体がうずいて仕方ない。
「……ごめん。余裕ないわ」
雅人もどこか苦しそうに笑う。
その表情にどきっとした瞬間、奥にモノを打ち付けられた。
「んうぅ…っ」
痛い気もする。
それに間違いなく苦しい。
それなのに、雅人のモノが奥に当たる度ぞくぞくと快楽が込み上げてきて雅人の胸に爪を立てた。
「まさ、ひと……っ雅人……っ」
「煽んな、ばか」
「あ、ああっ」
激しくなった動きに、乱暴な快楽が押し寄せて経験したことのないイき方に悲鳴をあげた。
それでも雅人の動きは止まらなくて、痺れるそこに続く刺激に訳がわからなくなる。
「やめ……っぬい、て……っきつい……!」
言葉すら苦しい。
雅人は俺をきつく抱き締めて、耳元で小さくごめんと呟いた。
同時によりいっそう強くぶつけられ、中に熱いものを感じた。
「ひぅ……っ」
悲鳴をキスで消されびくびく痙攣する体はずるっと雅人のモノを抜かれ更に跳ねた。
何が起きたのかわからないけれど、雅人が優しく笑うからなんだか泣きそうで必死に涙を堪えた。
「……ごめん。もっかいお風呂入ろっか?」
何か言ったら涙が溢れそうなのに、なにが悲しいのか、そもそも悲しくて泣きそうなのかさえわからず、ただ頷いた。
その日の夜はお風呂に入って雅人にドライヤーで髪を渇かしてもらってからの記憶がない。
朝起きたら、鈍く腰がいたんで少しだけ体が震えた。
一晩たっても、やっぱり理由はわからなかった。
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「……っなのに、あいつは涼しい顔して普通におはようって……むかつく……!」
堪えてた涙をルリに抱き付きながら溢すと、ルリはうんうんと穏やかに背中を撫でてくれた。
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