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軟禁チョコレート

リチェールを抱き上げてそっと寝室のベットに降ろす。 こうしてベットに押し倒したリチェールは以前と違って怯えなくなり、惚けた顔で見上げてくる。 誘惑してるように赤い顔にキスを落とすと、受け入れるように舌を絡ませてくる。 けれど、その先に進もうとすると、まって、と止められた。 「電気消そ?二週間ぶりだし、こんな格好だから恥ずかしい」 目をそらしながら恥ずかしそうに言われ、思わずふっと笑った。 「二週間ぶりなんだからよく見せろ」 「触ってくれなかったの千じゃん……」 不服そうに言うリチェールに、優しさだってわかんないかな、と呆れてしまう。 本当は俺だって、早く触れたかったけれど、咳すら痛そうに胸を押さえてたやつがよく言う。 そんな人の気も知らないで、たまに誘惑してくるリチェールには本当に頭を悩ませた。 「お前怪我してただろ」 「痛くてもいいもん」 「よくねぇよ」 ずっと乱暴な行為が日常的だったリチェールは人の暴力を受け入れることに抵抗はないし、セックスの時の痛みは付き物だと言う思い込みがある。 だから、快感だけ与える行為は未だに慣れないらしく、いやらしく乱れる。 まだ何か言おうとするリチェールの口を塞ぎ、薄いエプロンを片方の肩からゆっくりずらした。 「っんぅ」 表れたピンク色のそれに舌を這わせる。 惜しい気もあるけど、そろそろちゃんと肌を見たくてそっと紐を解き、エプロンを脱がせ床に落とした。 ____________   「ふ、あ……ぅ」 ゆっくり蕾を解せばリチェールは声をおさえようと口を手で隠す。 「声、聞かせろっていつも言ってるだろ」 その手をどけてベットに押し付けて、胸の突起をちゅっと吸い上げた。 「ぁんっ」 良いところには触れず、あえて焦らすように時間をかけてうしろを解していく。 「せ、ん……も、ほぐ、れたから……いれて……っ」 「だーめ」 「んんっ」 ちゅっと耳にキスすると、それすら逃げるように首を振る。 それからイきたい、とねだるように小さな手で俺の反応したモノをズボンの上から撫でた。 「お願い……千の、早くちょうだい?」 濡れたエメラルドグリーンの瞳が俺を映して揺れる。 言ったらリチェールは恥ずかしがるんだろうけど、イきたくて前を自分で弄るのではなく俺のモノを求めるなんて、本当に女みたいな体になったよな。 可愛くて仕方がない。 そうやってもっと俺を求めればいい。 なんでも一人で出来るような器用なやつだけど、俺がいないとなにも出来ないってくらい弱くなってしまえと思うのは、教師として失格だろう。 リチェールを弱くした責任はちゃんととるから、ずるい俺を許してほしい。 「痛かったらちゃんと言えよ」 柔らかい金色の髪を撫でると、リチェールは猫のように手にすりよってくる。 それから、少しだけ怯えたように俺にぎゅっと抱き付いて「はい」と呟いた。 「息吐け」   俺の言葉に従って、ゆっくり息をはくリチェールに合わせて自身を中に押し込んだ。

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