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天邪鬼

純也side ルリから明日遊ぼうとメッセージが来て、思わず「やった!」と声が漏れた。 ルリと会うのは約2週間ぶりで思わず顔がにやけてしまう。 「雅人、明日ルリ達と遊びにいこう!場所は俺たちが決めていいって!」 本を読みながら膝枕をしてくれている雅人にスマホを放り投げて興奮気味に言うと、本からちらっと顔を覗かせた。 「うん。純也はルリくん大好きだもんね」 好きとか言われたら、素直にうんとは言いたくないんだけど、まあ大切なやつだとは思う。   「明日は、ルリ病み上がりだしのんびり過ごしたい」 「珍しい。また走り回るような所行きたいって言うのかと思った」 さらっと前髪を撫でられ、目が合う。 本当にこいつはいつも優しい顔を俺に向けてくれる。 ルリのこともそうだけど、最近雅人忙しそうだったからって理由は、本人には絶対言わない。 「そういえば純也さ、もうすぐ三年生だけど、進路どうする?」 「あー……俺、3年になれるの?」 前半、わりとサボってたと思うけど。 「うん。出席日数も足りたし、成績も最近じゃ上がってきてるしね。よく頑張ったね純也」 別に、みんなやってる普通のことだと思うけど、まるで偉業を成し遂げたみたいに雅人は俺を誉めて甘やかしてくれる。 「で、進路どうする?純也のやりたいことなんでも言ってね」 進路ね。 ルリはなんとなく決まってるようだった。 俺は正直なにも考えてない。 まぁ、大学にはいかないだろう。 「就職、かな」 「うん?何になりたいの?」 「なんでもいい。あ、でも住み込みで働けたらラッキーかな」 眠いなかウトウト考えながら口にすると、バチン!とデコに衝撃が走った。 「いったぁ!!」 でこぴんした犯人はデコを押さえる俺を呆れたように見下ろす。 「この家から出すわけないだろ。あとそんななげやりに仕事しようとしてるならやりたいこと見付けるまで大学で勉強してなさい」 こ、こいつ!なんでも好きなことしていいって言ったくせに! 相変わらず、雅人は甘やかしてるようでかなり拘束してくる。

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