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四季さんは何を考えてるのかわからない無表情のまま、チラッと僕を見た。
「芸能人とか関係なく、俺一個人として命の恩人にお礼とか、その周りにも謝罪したかっただけなので、それが返って迷惑になるなら、連絡しませんよ」
四季さんの声にパッと顔を上げると、月城さんも後ろでうんうんと頷いてる。
きっと看護師さんの意見が正しい。
それでもこの2人は僕を庇ってくれてるんだ。
看護師さんも「優しいんですね…!」と口元を押さえて目をうるうるさせてる。
「少し彼と2人で話がしたいんですが、お時間いただいていいですか」
え。なに。
ただでさえ人見知りなのに、この人ずっと無表情だし、キラキラしすぎてなんか怖いし、2人きりとか緊張して正直嫌なんだけど。
そんな願いも虚しく、看護師さんは「わかりました。また後で来ますね!」と、少し名残惜しそうに部屋を出て行ってしまった。
「じゃあオレも席を外すよ。清十郎、わかってると思うけど…」
月城さんがトントンと腕時計を指さす。
笑顔なのになんだか少し怖く見える。
そういえば、この人すごく忙しいって聞いた。
彼が入ってきた時、何故か月城さんも、なんでここにいるんだって言うように驚いた顔していたし、なにか仕事で支障があるんじゃないのかな。
「いや、ルリは残って」
静かな声で月城さんを引き止める四季さん。
正直、ちょっとホッとする。
ニコニコ笑顔を絶やさないでいてくれる月城さんがいてくれた方が、なんだか四季さんと2人っきりより安心できる。
なんの話だろう。
四季清十郎を事故で関わったことの口止めかな。
一度部屋を出ようとした月城さんが残ったのを確認すると、四季さんは表情ひとつ変えずに僕の頭に手を乗せた。
「この子、俺が引き取るから。ルリうまいことよろしく」
「「はぁ!?!?」」
まるで何気ない日常会話のような声のトーンでサラッと言われたあり得ない発言に、僕と月城さんの声が重なる。
突然何言ってるんだこの人。
僕、あなたと今さっき知り合ったばかりなんですが。
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