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"育ててくれた叔母夫婦へこれを残します。 本当の親じゃないとひどい言葉や暴力を振るった僕に、それでも叔母夫婦は優しく慈しんで僕を本当の子だと他の兄弟と変わらない愛で育ててくれました。 いつも理不尽に暴れる僕にいつも美味しいご飯と温かい言葉をかけてくれてありがとう。 こんな僕を大学まで出そうとしてくれてありがとう。 もう勉強は嫌だという僕にせめて高校くらいは行けと言ってくれたけど、暴れる僕に最後は意思を尊重してくれました。 でも世間は僕が思っていたよりもずっと厳しいもので、家事の一つも手伝わずぬくぬくと育ってきた僕には耐え難いものでした。 一人で生きていけない無力さに気付いて初めてどれだけ家族のみんなが僕を甘やかしてくれていたのか、その深い愛に気が付きました。 けれど、たくさんひどいことをした僕が今更どんなツラをして戻れると言うのでしょう。 そして、今だから言えるけれど、僕が家を飛び出したことにはもう一つ理由があるのです。 1ヶ月前の事件、あれは僕が犯人です。 言えなくてごめんなさい。そのことが知られることが恐ろしくて家から逃げましたが、もう逃げることにも疲れました。 せめてものお詫びに、親が残してくれた財産と僕の保険金を受け取ってください。 本当に申し訳ございませんでした。 椎名瑞稀"

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