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第201話 濡れて艷めく秋の日に28※
眠れない夜に身体の熱を持て余しながら妄想していた祥悟は、自分のモノを受け入れて、いつも愛らしく乱れてくれた。
尻の狭間の窄まりが小さいことだって、自分にもあるから知っている。
それでも、実際に触れてみた祥悟のソコはあまりにも小さすぎて、智也は今更ながらに愕然としてしまった。
もう一度、恐る恐る触れてみる。
さっきより強く、指先で押してみた。
小さい。すごく……狭い。
そもそも祥悟は、骨格自体が華奢なのだ。
智也は指先をぐにぐに動かして、もう少し奥を探ってみた。
もちろん、ここをきちんとほぐすのだ。
このままでは絶対に入らない。
それは知ってる。ローションとかオイルを使って、入り口を少しずつ拡げていく。
……あ……ローション?いや、ここでするなら、ボディソープかな。
キスしながら目をキョロキョロと動かす。
シャワー下の棚のボトルを取って来ないと。
不意に、祥悟の睫毛が大きく動いたのが目の端に映って、智也は視線を戻した。
いつの間にか見開かれた祥悟の瞳が、自分をじっと見つめている。
その瞳が何故か怒りを滲ませている気がして、智也はそっと口づけをほどいた。
「ど、どうしたの?」
「おまえさー。なんで上の空なんだっつーの」
「え?」
「キスしてりゃわかるじゃん。全然ノってこねえし」
智也は驚いて目を見張り、慌てて首を横に振った。
「いや、そんなこと、ないよ。祥、」
「やっぱしたくねえの?俺と」
眉をぎゅっと寄せる祥悟の尻をきゅっと掴んで
「違うんだよ。君のここ、どうやってほぐそうかなって…」
智也の答えに意表を突かれたように、祥悟の目が丸くなる。
「へ?……ほぐす?」
「うん。本当は専用のローションやオイルがいいよね。でもそんなものここにはないから、ボディソープでいいかなって」
祥悟は怪訝そうな顔になり
「ふーん。ほぐすのかよ。それって尻の穴をってことだよね?」
今度は智也の方が驚いて首を傾げた。
「え。当たり前だろう?そうじゃないと入らないよ。え……待って、祥。君……ナンパして男に抱かれたって言ったよね?まさか……まさかほぐしもせずにいきなり突っ込まれたのか!?」
「う?…や、んーと……」
智也は祥悟を肩をガバッと掴んだ。
「怪我、しただろう?ああ……祥。なんてことだ。そんな酷い相手だったのかい?」
「へ?…あ、いや、えーと、あのな、智也」
祥悟は言いにくいのか、口の中でもごもご言っている。智也はショックで絶句した。
……信じられない。
男との初体験が、そんな乱暴な相手だったなんて。
どんなにか苦しかっただろう。痛かっただろう。
智也は泣きそうになって顔を歪め、祥悟の身体をぎゅうっと抱き締めた。
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