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第237話 秋艶26※

祥悟の身体を形成している、全てのパーツに愛情と感謝を込めて口付ける。 首筋も鎖骨の窪みも薄くのった綺麗な胸の筋肉にも。そして滑らかな肌にそっと息づく、愛らしい両の乳首にも。 彼の両親がどんな人かは知らないが、この愛おしい存在をこの世に生み出してくれたことに、心からの感謝を捧げたい。 「な、なぁ、おまえなに、してんのさ。擽った…っあ、ん…っ」 既に感じてぷくんっとふくらんでいる桜色の蕾を、口に含んで強く吸うと、戸惑う祥悟の唇から甘い吐息が零れた。 あまり焦らしすぎると、怒り出すだろう。 智也は乳首を舌で扱きながら、彼の下腹に手を伸ばした。 窮屈そうにパンツを押し上げているそこを、服の上からちょっといやらしく撫でる。こちらの身体を挟み込んで逃れられない祥悟の脚が、じたばたと揺れた。 「脱がせるよ」 「…んっ」 ウエストに指を入れてフックを外し、ファスナーを慎重におろしていく。はちきれそうな祥悟のものが、抑えを失って飛び出てきた。薄い下着越しにも感じる熱を手の平で握り込む。 「んんっはぁ……」 掠れた微かな声。手の中のものがいっそう大きさを増していく。 「もうここ、出ちゃいそうだね」 囁きながらゆっくり手を動かすと、祥悟はもじもじと尻を揺すりながら 「ばっか、刺激、すんな。ほんとに、出る…っ」 「ダメだよ。もうちょっと我慢して。君の後ろ、ほぐしたいから」 感じきって目をぎゅっと閉じていた祥悟が、薄目を開けてこちらを見る。 好奇心と不安の綯い交ぜになったその眼差しが、やけに可愛らしかった。 「指……突っ込むの?」 「うん。でも痛くしないよ。これ、ローション代わりに使うからね」 洗面台の奥の棚から取り出したボトルを、安心させるように目の前にかざしてみる。 肌荒れ防止用のベビーオイルとローションは、職業柄必需品だ。 じっと見つめてくる祥悟の視線を感じながら、片手でボトルのキャップを開けた。 「おまえ、なんか慣れてる……」 不満そうな祥悟の呟きに、智也は内心苦笑した。 ……慣れてないよ、祥。こんなこと、俺は初めてなんだ。でも慣れてるフリをしないと、君が不安になるだろう? ボトルをいったん台に置いて 「ね、祥。パンツ汚れちゃうから、下全部脱がせるよ?」 祥悟はこちらの手元からハッとしたように顔をあげ 「ん、あー…うん」 かかとを引っ掛けた両足を踏ん張った。浮かした腰の下に手を入れて、パンツを下着毎つるんと尻から剥く。下着が彼の元気なペニスの先に引っかかって、祥悟はちょっと顔をしかめた。 「ごめん。痛かったかい?」 「んー。だいじょぶ。でもなんかさ……」 「なんか……なに?」 「ここ明るすぎて、ちょっと恥ずかしいんだけど」 智也は、パンツと下着を下まで脱がせると、彼の下腹を見ないようにして、洗面台の明るすぎる照明のスイッチを切った。 「これで、いい?」

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