237 / 349
第237話 秋艶26※
祥悟の身体を形成している、全てのパーツに愛情と感謝を込めて口付ける。
首筋も鎖骨の窪みも薄くのった綺麗な胸の筋肉にも。そして滑らかな肌にそっと息づく、愛らしい両の乳首にも。
彼の両親がどんな人かは知らないが、この愛おしい存在をこの世に生み出してくれたことに、心からの感謝を捧げたい。
「な、なぁ、おまえなに、してんのさ。擽った…っあ、ん…っ」
既に感じてぷくんっとふくらんでいる桜色の蕾を、口に含んで強く吸うと、戸惑う祥悟の唇から甘い吐息が零れた。
あまり焦らしすぎると、怒り出すだろう。
智也は乳首を舌で扱きながら、彼の下腹に手を伸ばした。
窮屈そうにパンツを押し上げているそこを、服の上からちょっといやらしく撫でる。こちらの身体を挟み込んで逃れられない祥悟の脚が、じたばたと揺れた。
「脱がせるよ」
「…んっ」
ウエストに指を入れてフックを外し、ファスナーを慎重におろしていく。はちきれそうな祥悟のものが、抑えを失って飛び出てきた。薄い下着越しにも感じる熱を手の平で握り込む。
「んんっはぁ……」
掠れた微かな声。手の中のものがいっそう大きさを増していく。
「もうここ、出ちゃいそうだね」
囁きながらゆっくり手を動かすと、祥悟はもじもじと尻を揺すりながら
「ばっか、刺激、すんな。ほんとに、出る…っ」
「ダメだよ。もうちょっと我慢して。君の後ろ、ほぐしたいから」
感じきって目をぎゅっと閉じていた祥悟が、薄目を開けてこちらを見る。
好奇心と不安の綯い交ぜになったその眼差しが、やけに可愛らしかった。
「指……突っ込むの?」
「うん。でも痛くしないよ。これ、ローション代わりに使うからね」
洗面台の奥の棚から取り出したボトルを、安心させるように目の前にかざしてみる。
肌荒れ防止用のベビーオイルとローションは、職業柄必需品だ。
じっと見つめてくる祥悟の視線を感じながら、片手でボトルのキャップを開けた。
「おまえ、なんか慣れてる……」
不満そうな祥悟の呟きに、智也は内心苦笑した。
……慣れてないよ、祥。こんなこと、俺は初めてなんだ。でも慣れてるフリをしないと、君が不安になるだろう?
ボトルをいったん台に置いて
「ね、祥。パンツ汚れちゃうから、下全部脱がせるよ?」
祥悟はこちらの手元からハッとしたように顔をあげ
「ん、あー…うん」
かかとを引っ掛けた両足を踏ん張った。浮かした腰の下に手を入れて、パンツを下着毎つるんと尻から剥く。下着が彼の元気なペニスの先に引っかかって、祥悟はちょっと顔をしかめた。
「ごめん。痛かったかい?」
「んー。だいじょぶ。でもなんかさ……」
「なんか……なに?」
「ここ明るすぎて、ちょっと恥ずかしいんだけど」
智也は、パンツと下着を下まで脱がせると、彼の下腹を見ないようにして、洗面台の明るすぎる照明のスイッチを切った。
「これで、いい?」
ともだちにシェアしよう!