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第295話 秋艶82※
スポンジにたっぷりとソープを垂らして泡立てる。ふと思いついて白い泡を指先にとり、祥悟の胸の小さな尖りをつつきながら、ちょんっと乗せてみた。
「…っぁ」
そこに触れられると予期していなかった祥悟が、小さく喘いでピクンっと震える。
「…っおまえ、何やって、んだよ」
「ふふ。こうすると君の乳首、クリームがついたみたいで、可愛いかな?って」
祥悟は口をぽかんと開けて、まじまじとこちらを見つめる。その眉間にシワが寄ってきた。
「人の身体で、遊んでんなっつの。何その余裕な感じ。ムカつく」
「ごめんごめん。そんなに怒らないでくれ。これでも俺なりに緊張してるんだよ」
ぷりぷり怒り出した祥悟に、智也は慌てて手に持ったスポンジを握り直した。
「首、あげて?」
まだ不審げに横目で睨みつけている彼の首筋にスポンジをあてる。
ほっそりとした長くて美しい首だ。その白い肌にむしゃぶりついて、紅い所有の印を刻みたくなる。
職業柄、許されることではないが。
擽ったくならない程度に力を込めて、ゴシゴシとスポンジで擦り、首の下に繋がる鎖骨へと滑らせていく。祥悟は壁の把手を掴み、目を伏せて大人しくしていた。
「腕をちょっとあげてくれるかい?」
祥悟は気怠そうな流し目でちろ…っと睨み
「そこ、自分でやる。擽ったいし」
「ダメだよ。君は何もしないでじっとしてて。俺が身体中ピカピカに磨き上げるんだからね」
首を竦めた祥悟の顔に「意味わかんねえ」と書いてある。
わからなくていいのだ。
これは自分自身のこだわりなのだから。
最上級の信頼を寄せて全てを任せてくれた祥悟を、出来る限り大切にしてあげたい。
でも、あまり焦らしてしまうと、もうやめたと怒りだしそうだ。
智也はスポンジにまたソープを垂らすと、脇から腕、そして背中と少しスピードアップしながら丁寧に洗っていった。
上半身を隈無く磨き上げると、泡だらけの彼の身体をぎゅっと抱き締める。
「も、終わり?」
「いや。ちょっとじっとしててね」
少し屈んで、祥悟の背丈に合わせる。背中に回した手をそろそろと伸ばすと、細腰の下の小さな尻に触れた。きゅっと窪んだ引き締まった尻は、両の手のひらにすっぽりと収まりそうだ。智也は弾力を確かめながら、両手で双丘を包み込んでみた。この2つの丸みの間に、密やかに息づく窄まりがある。ぎゅっと力を入れて揉みしだいてみる。
「…は……ぁ…」
祥悟が吐息を漏らす。掴んだ尻をぐいっと自分の方へ抱き寄せると、さっきよりクールダウンした互いの下腹の昂りが揺れながら擦れあった。
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