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第298話 秋艶85※
「ん、んぅ…っん、ん」
舌を絡ませながら指を蠢かせる。
膝立ちの祥悟は浴槽の縁を掴み締めて、鼻から小さな喘ぎを漏らし続けていた。
指は既に第2関節まで侵入している。ローションを足しながら、狭いソコを割り開き、大きく揺らしながら左右に拡げていった。
「んんっっ、っは、…っ」
「大丈夫?祥」
キスを解くと、大きく喘いではあはあと荒い息を吐き出す。後ろから顔を覗き込むと、祥悟は潤んだ瞳でこちらを睨んだ。
「だいじょぶ、じゃ、ねーし」
「だいぶほぐれてきたよ。でもちょっと休むかい?」
祥悟は腕をぎゅっと握ってきて
「休む、かよ。キツイの、変わんねえ、もん」
指での感触だと、祥悟のソコはかなり柔らかくなっている。だが、せめて指3本が動かせるほどに拡げないと、自分のコレはおそらく入らない。
「こっち、使ってみる?」
智也はラックから拡張用のグッズを取り上げた。ゴム製の張り型だ。先が細く、根元にいくにつれて太くなっている。
祥悟は見た途端に目を丸くして、じと…っとこちらを睨んだ。
「なに、それ、ヤバそう」
「これで奥をひらいていくんだよ」
「や。それ、無理。おまえの指のがいい」
祥悟はぷるぷると首を横に振ると、こちらの指をぐいっと掴んで
「いいから、続けてよ。俺は、おまえのしか、いらねえし」
智也はドキンっとして息を詰めた。
それは「道具なんか使うな、指でしろ」ということなのだ。それ以外の深い意味なんかない。
分かってはいるが、違う風に受け止めてしまって、思わず心臓が跳ねた。
……もう……君って人は……。
期待してはかわされ、また期待させられては思い知らされて、これまできたのだ。祥悟にそんなつもりはないのだろうが、自分はこの無自覚な天使に振り回され続けている。
罪作りな人だ。
でも愛おしくて仕方ない。
「わかった。力抜いてリラックスだよ」
智也はローションを指にたっぷりと纏わせると、今度は指2本を揃えて、窄まりに押し当てた。
「んんぅん、んぅ…っ、んっあぁん」
だいぶ柔らかくなってきた。
祥悟の身体も、零れ落ちる喘ぎ声も。
智也は知らず詰めていた息を大きく吐き出し、額から流れる汗を手で拭った。
「祥……ここ、どう?」
指を動かしながら、優しくそっと囁きかけてみる。
祥悟は髪を振り乱して尻をもじもじと揺らし、こちらに振り返った。
「や…っは、ぁ、そこ、だ、めだ、変」
指がシコリにあたっている。そこを挟んでゆるく揺すると、祥悟は艶やかに鳴きながら仰け反った。
「感じるんだね、ここが」
涙で潤んだ目をきゅっと細め、はくはくと息をしながら
「むり、それだめ、だ…、ぁ……ぁあ…っ」
ちょっと刺激が強すぎるのかもしれない。
智也は身を乗り出して、目元の雫をちゅっと吸い取ると、指の位置を少しだけズラした。
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