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第318話 君という鎖5※
寝起きで朝の生理現象が残る愚息が、蕩けるキスのおかげでむくむくと大きくなってきた。
男の身体は単純だ。好きな相手と幸せな時間を過ごせるだけで、素直に喜んでしまう。
智也は舌をねっとりと絡ませながら、そろそろと下の方に手を伸ばした。
シャツ1枚の姿で自分の上に馬乗りになっている祥悟の、肌蹴たシャツの隙間に手を差し入れる。もぞもぞ動かした指先が、祥悟の雄についっと触れた。
「…っん」
ぴくんっと震えて、鼻から甘い息を漏らす。
触れたソコを指で包み込むようにして握ると、祥悟は腰をくねらせた。
「んっ、は…ぁっや、さわっ、…んぅっ」
慌ててキスをほどこうとするのを、首を引き寄せて封じこめる。同時に手の中の昂りをゆっくりと扱きあげると、祥悟は腰を小さく揺らしながら甘え声で鳴いた。
触れた時はまだ半勃ちだった彼のペニスは、指の動きに応じてぐんぐん育っていく。
んっ、んっ、と鼻から出るよがり声も、一段と甘ったるさを増していた。
じゅうっと舌を強く吸ってから口づけをほどくと、祥悟は、んはぁ…っと息を吐き出し、上半身を起こした。
「あ、…っとも、や、ばっか、それ、…っすんな」
「……ダメかい?君のここ、もうこんなだよ」
「んんっは、おまえ、…っスケベだしっ」
「男はみんな、スケベだよ。あんなキスする君が、悪い」
反論する智也を、祥悟はまたとろりと濡れ始めた瞳で睨みつけてきた。目元をうっすら染めたそんな色っぽい目で睨まれても逆効果だ。
「嫌かい?……もう、やめる?」
「嫌じゃ、ねーし」
祥悟はちょっと悔しげにぷいっとそっぽを向く。
「あのね、祥、後ろから、してもいいかな」
少し遠慮がちにねだってみると、目を見張って真っ直ぐに見下ろしてきた。
「後ろから…?」
「うん。その方が、奥まで密着出来るって。君の感じ方も少し違うかもしれない」
今回の為に知識をくれた本に、そう書いてあった。
興味をそそられたのか、祥悟が首を傾げて考え込む。その無防備な愛らしい表情に、智也の視線は釘付けになった。
……もう……ほんと。どうしてこんな、可愛いかな。
昨夜、最後に祥悟にトドメを刺されたことを、忘れているわけじゃない。
さっき見ていた夢も、それが影響してか、なんだかすごくせつなかった気がする。
でも、いいのだ。
最高のセフレ。
祥悟がその役割を自分に望むなら、それでいい。
心までは求めないと、最初に誓ったはずだ。
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