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第320話 君という鎖7※

「祥…っ」 智也は、そのままもっていかれそうになって、慌てて必死に歯を食いしばった。 ペニスは勢い余って完全に根元まで潜り込んでいる。 祥悟の白くて滑らかな背中に、隙間なくピタリと肌を合わせて抱き締めると、その強烈な一体感に心が痺れた。 ……ひとつになってる。君と。俺は今君と、溶け合ってるんだ……。 智也は、祥悟の羽根の痕のような背中の窪みに、優しく頬擦りをした。 愛しい。君が、愛しい。 祥悟が呼吸を繰り返す度に、自分を包み込む襞がきゅうきゅうと収縮する。 気持ち良くて怖いくらい幸せだった。 「ん…とも、や……」 「なに?祥……」 荒い呼吸をしていた祥悟が、頭をあげて振り返る。長い睫毛に涙の雫が引っかかってて可愛い。 「うごか、ねえの…?」 「うん……君とひとつになってる感じ、すごく…気持ちよくて」 うっとりと呟くと、祥悟は目を見張り、何故だか目元を染めて 「っ、なに、そのデレっとした、顔。…いいから、動けよ、重てえし」 ぷっと頬をふくらませ、腰をくいっくいっとくねらせる。 ……もう……慣れてないくせに、またそうやって煽るんだから。 智也は内心苦笑すると、ちょっと伸び上がって、祥悟の鼻先にちゅっとキスして 「じゃあ、いくよ、祥……ちょっと限界、だから…手加減なしで…いい?」 祥悟は目をぱちぱちさせると、楽しそうに口の端をきゅっとあげて笑い 「ん。ガツガツ、きて?」 智也は頷くと、上半身を少し起こして細い腰をぎゅっと掴み締めた。 本当はもう少し、あのままじっとしていたかった。 動けば気持ちいいのは分かっているけど、それだとすぐに終わってしまう。 でも、祥悟は入れられてるだけでは苦しいだろう。 気持ちよくしてあげないと。 智也は腰をじわじわ揺らし始め、眉を寄せて気を逸らす為に視線を遠くに向けた。 その目が、ハッと大きくなる。 視線の先、寝室の壁際にある姿見に映っている。 繋がった2人の姿が。 後ろからでは見えなくて残念だと思っていた祥悟の顔が、少しズレているが映っていた。 うっすら目を開け唇も少し開き気味で、こちらの動きに備えて眉を寄せた表情。見られていることに気づいていないその顔は、なんて色っぽいんだろう。 智也は鏡を見つめながら、腰の動きを徐々に速めていった。

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