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第330話 君という鎖17※

智也は祥悟の鼻の頭にちゅっと唇を掠めて 「足りない…って言ったら……どうするの?」 祥悟はすぐに答えずに、とろりとした瞳でじっと目を見つめてくる。智也も逸らさずに見つめ返した。 「あのさ。俺の後ろ、まだおまえのが入ってるみたいな変な感じなんだよね」 「え……」 祥悟は背伸びしながらこちらの唇に口を寄せてきて 「中がさ、熱くてジンジンしてる。……おまえのが欲しいみたい」 甘い吐息と共に囁かれて、心臓と別の場所が同時に跳ねた。 ……ちょっ…と、祥、待って。 落ち着け、と自分に言い聞かせる。 冷静に。余裕があるようなフリをしないと……。 「そう。君のここ、俺のを咥えたいの?」 声が不自然に掠れてしまった。 ダメだ。平静でなんかいられるはずない。 「ん……まだアソコがさ、おまえの形のまんまみたいだよね」 「っ」 おまえの形。 祥悟の口から飛び出た最凶の殺し文句に、トランクスの中の息子が一気に熱を帯びた。 男は初体験だった癖に、祥悟はこちらをのっぴきならない所に追い詰めるのが上手すぎる。 智也は手を伸ばして、祥悟の小さな尻をシャツの上からぎゅっと握った。 「ひょっとして、ここがまだ疼いてる?」 「ん……。ムズムズすんの。こういう感じ、初めてだからさ。なんかちょっと新鮮かも」 祥悟が次々に繰り出してくる甘い毒を孕んだ殺し文句に、耳から犯されている気分だ。 ……ちょっと、もう限界。 我ながらチョロすぎる。 でも祥悟がいけないのだ。 こちらのなけなしの自制心を、次から次へと崩しにかかってくるのだから。 「そう。だったら、ちゃんと塞いであげないとね。君のここ」 智也は囁きながら、指を尻の割れ目へと滑らせた。行き着いた窄まりは確かに熱を持っていて柔らかい。 「ん…っ」 艶かしい声を漏らし、祥悟の身体がピクリと震える。 「悪い子だな……。誘ったのは君だよ。まずはこっちを可愛がってあげる」 せつなげに眉を寄せた祥悟が、薄目でこちらを見る。その表情に欲情の色が滲んでいた。 智也は窄まりを指先で優しく擦りながら、もう一方の手でシャツに隠れた祥悟の雄の印を探った。 薄い布越しに、ソレは少しだけ反応を見せてゆるく勃ちあがっている。シャツの上から、その先っぽをさわさわと撫でてみた。 「んっ……、んぁ…あ、」 祥悟の腰がくねくねと揺れる。もっと強い刺激が欲しいのだろう。小さく喘ぎながら、腰を前に突き出してくる。 智也はわざと自分の手を引いて、触るか触らないかぐらいの微かな刺激に保った。 薄布越しの祥悟のペニスが、焦れて揺れる。 「…っさわ、れよ。…握って」 「じっとしてて。気持ちよくしてあげるから」

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