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第2話 天使にKissをされました

「あ、智也。ちょっと匿ってくんない‍?」 ノックもなしに控え室のドアが開き、白い塊が飛び込んできた。 智也は驚いて読んでいた資料から顔をあげる。飛び込んできたのは、真っ白な服に身を包んだ祥悟だった。 「なに‍? どうしたの‍?」 祥悟は口に指を当てて、しーっとすると、内側からドアに鍵をかけて、こちらに駆け寄ってくる。 「マネージャー来たら、いないって言ってよ」 椅子に座ったまま振り返り唖然としている智也に、祥悟はにかっと笑ってかがみ込み 「あ、そだ。先にお礼しとく」 そう言ってこちらに覆い被さると、いきなり唇を奪う。 (……‍?!) 一瞬、何が起きたのか分からず、智也は驚きに目を見開いたまま固まった。 祥悟は事務所に来た頃からスキンシップが多めで、抱きつかれたり頬にキスされたことはあるが、唇を奪われたのは初めてだった。 見た目はどちらかというと薄くて肉感的には見えない彼の唇は、触れてみると意外に柔らかくてふっくらしていた。 祥悟はちゅっと触れるだけのキスの後、いったん唇を離して 「したことねえの? キス。目は瞑るもんだけど‍?」 そう言って首を傾げる祥悟の艶やかな瞳が、揶揄いの色を滲ませている。驚きに目を見張ったまま、咄嗟に目を瞑ることも出来なかった自分を、笑っているのだと気づき、智也はむっとした。 (……5つも歳下のくせに、生意気なんだよ)

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