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第4話 キスにムキになりました2
目の前で小首を傾げ、挑発するような目で自分を見ている祥悟に、智也は内心ムッとしていた。
(……少し、お灸をすえてやるか)
おそらく自分が何も反撃しないから、祥悟は調子に乗っているのだろう。大人びた顔はしていても、悪戯して大人の反応を試している子どもと同じなのだ。
智也はふっと微笑んで、手を伸ばした。祥悟の頭の後ろを手のひらで押さえ、ぐいっと自分の方に引き寄せる。
「……っ」
はっと息を飲んだ祥悟の唇を奪った。噛み付く勢いで口付け、強引に唇を割り舌を差し入れる。
大人気ないなぁ……と自覚しつつも、咄嗟に奥に逃げ込もうとした祥悟の舌を、絡め取って吸い上げた。
「……っん……っ」
祥悟の鼻から小さな声が漏れる。逃げようとする小さな頭をがっちりと押さえつけ、更に口付けを深くする。
智也はそっと薄目を開けてみた。切なげにきゅっと目を閉じた祥悟の、長い睫毛がふるふると震えている。
(……やっぱりまだ子どもだな。……ちょっとやり過ぎたかな?)
吸う力を少しゆるめて、舌を転がしてみる。祥悟の手が智也の腕を縋るようにぎゅっと掴んだ。角度を変え、舌を絡めて優しく吸うと、ん……ん……っと微かに鳴き声をあげる。
お仕置きのつもりのキスが、なんだかすごく気持ちいい。
祥悟の舌は柔らかくて熱くて、ちょっと甘い気がした。
いつも小生意気な態度ばかりの彼が、ちょっと震えながら縋り付いてくる反応も可愛い。
そろそろ止めないと……と思いながら、名残惜しくてなかなか離せない。
「……んっふ……ぅ……ん……」
(……まずいな。これは……)
ぬめる舌を転がすように絡めながら、その熱と感触に夢中になっているうちに、鼻から漏れ出る祥悟の声にも煽られていた。
下腹に覚えのある熱が溜まっていくのを感じて、智也ははっと我に返った。
(……さすがに……まずいだろう、これは)
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