347 / 349
第347話 君という鎖33※
「あ……っぁう…っぁ、はぁ…っ」
祥悟の口からひっきりなしに、甘苦しい吐息が漏れ出る。
智也は腰を深く突き入れたまま、詰めていた息をそっと吐き出した。
急激に高まってしまった目が眩むような絶頂への甘い衝動は、なんとか治まっている。……危ないところだった。
先日初めて祥悟と身体を繋げた時よりも、気持ち的にテンパってはいないはずだ。
会えなかった数日間、あの夜のことを何度も思い出しながら、次に誘われたらどんな風に彼を抱くかと、いろいろシュミレーションしてみたのだ。
……我ながら馬鹿みたいだな…とは思うが。
そうして準備万端のつもりで迎えたはずの2度目の逢瀬は、予想外なタイミングで唐突にやってきて、初っ端からアタフタしてしまった。
祥悟の言動は、まるでびっくり箱だ。
どんなに身構えていても、予想の遥か斜め上をいく。この気紛れな美しい仔猫が、自分を待つ間、好奇心いっぱいにお尻をいじっていたなんて…誰が想像出来るだろう。
「祥……どう?苦しい?」
深く繋がったまま、彼の滑らかな背中に自分の腹を添わせるように上半身を倒し、後ろから耳元に囁いた。
「……っ、ん、」
ぷるぷるっと震えた祥悟が、擽ったそうに首を竦める。
……ああ……可愛いな……。
白くて形のいい耳が、官能に薄く色づいている。自分を奥まで咥えこんでいる祥悟のソコは、彼が息をする度にひくひくと収縮して、甘い疼きを次々に生み出していた。
智也は柔らかそうな耳たぶを、はむっと唇で挟み、舌でちろちろと舐めてみた。
「んぅ…っは、ば…やめ…っんぁ」
焦ったように喘ぎイヤイヤと首を振る彼の胸に手を回した。探り当てた小さな尖りを指先で摘み上げ、きゅっきゅっと引っ張ってみる。
「気持ち、いい?ね、祥」
「んっ、んっ、」
仰け反る祥悟の癖っ毛が跳ねて、顔にかかる。擽ったい。横から顔を覗き込むと、祥悟はせつなげに眉を寄せ、唇を噛み締めていた。声を出すのを悔しがる、その表情も可愛くて愛おしい。
「祥、唇、噛まないで。傷ついて、しまうから」
囁きながら乳首の先を指でくにくにすると、祥悟はくぅ…と呻いて身を捩る。ペニスを咥えこんだ彼の奥が、抗議するようにきゅっと締まった。
……意地っ張り。
あんなに強く噛み締めていたら、本当に唇を切ってしまう。
智也は手を伸ばして彼の唇を指先で優しくなぞった。
「口、開けて?」
少し力を入れて引き結んだ唇を指先でこじ開ける。
「ん……はぁ…」
諦めて薄く開いた口から、熱い吐息が漏れた。
ともだちにシェアしよう!