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第61話 甘美な墓穴のその先に1※

「…………」 急に雰囲気をガラッと変えて、悪い顔してみせると、祥悟はきょとんとした顔になった。 自分の手を押し付けられた智也の股間と、こちらの顔を交互に見て 「おまえ、なんかすげーエロい顔してる」 ぼそっと呟くと、何故か嬉しそうな顔になり 「いいよ。じゃあさ、俺のテクでイかせてやるし‍?」 「っ」 祥悟は自分以上に悪い顔をして、唇の端をきゅーっと釣り上げると、股間に押し当てられた手で、ぎゅっと握ってくる。 「……っ。……っ。っ……ぅ」 いったいどうして、こんなことになっているんだろう。 スラックスの前を開けられて、無防備に晒された自分のペニスに、祥悟の白く細い指が絡みついている。 自分の半分開き直りの挑発に、祥悟があっさりとノッてきた。そればかりか、えらく楽しげに服の上から股間をぎゅっと握り込まれて、智也の頭は真っ白になった。 ダメだ、止めろと言う余裕もなく、慣れた手つきで竿をさすられて、自分のものが悦びにぐんぐん育つ。 (……ちょっと、ダメだって、ああ、そんなに触ったら……理性が……持たないから) 必死に止めさせようと伸ばした手を、うるさそうに跳ね除けられた。止める間もなく祥悟の手が、スラックスのボタンを外しファスナーを引き下ろす。 「っ祥っ、ダメだって」 上擦った声をあげて祥悟の手を払い除けるより先に、スラックスから下着ごと飛び出した猛りを、祥悟の細い指が掴む。 「もう、こんなんなってんじゃん。すっげー熱い」 祥悟は楽しげに呟くと、あっさりと隙間から下着の中に手を入れてきた。 その手が直接、自分のものに触れた。 智也は思わずびくっとして、呻きそうになる口を必死に食いしばった。 (……まずい。まずい。まずい) 細いしなやかな指が、ペニスに絡みつく。 緊急事態だ。こんなのは想定外過ぎる。 驚きと甘美な痺れに、頭の中が真っ白になった。

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