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第62話 甘美な墓穴のその先に2※
「智也、これさ、気持ちいい?」
祥悟は指で輪っかを作ってゆるゆると扱きながら、可愛らしく小首を傾げている。
目が合ってどきっとして、智也は慌てて目を逸らした。
(……ダメだって。そんな、顔しちゃ)
祥悟のくれる肉体的な刺激だけが問題じゃないのだ。この綺麗な生き物が、自分のものに触れてくれているという歓びと、ほの暗い後ろめたさ。
それが、異常なくらいに興奮を煽る。
「……っ祥、も、手離そう?」
「は? なんでだよ。智也、まだイってねえじゃん」
「イかなくて、いいんだよ。君に、そんな、……こと、させられない、だろ……っ」
荒い息の中、必死に言い募ると、祥悟は目をキラキラさせて
「気持ちいいんだ? おまえ、余裕ねえ顔してんじゃん」
(……だからっ。どうしてそんな、嬉しそうな顔、)
「自分は大人だよ~って感じでさ、おまえ、いっつもポーカーフェイスだろ。そういう余裕ない感じって、すっげー新鮮」
祥悟は智也の内心の叫びを察したかのような発言をすると、ますます嬉々として手の動きを早めた。ムキになる様子はまるで悪ガキみたいに子どもっぽい癖に、こちらの興奮に煽られたのか、祥悟は頬を紅潮させ舌をちろっと出して、唇をぺろんと湿らせる。
その仕草が強烈にエロティックで、クラっときた。
(……もう、無理だ。我慢なんか、出来るか)
智也は急速にせりあがってくる熱をぐっと押し殺し、祥悟の細い手首をガシッと掴んだ。
「……っ」
思いがけず物凄い力で手首を握られて、祥悟が驚きに息を飲む。
智也は出来るだけ怖い顔をして、祥悟を睨みつけると
「大人を、揶揄った、罰だよ」
そのまま腕を引っ張って、祥悟の身体をシーツの上に転がした。
「君はそのまま、手で扱いて」
言いながら、反対向きに上から覆い被さる。
「な……っなんだよ、これ」
上擦る祥悟の、腰に巻いたタオルを剥ぎ取ると
「シックスナイン。知ってるかい? 君は咥えなくていい。手を使って」
言い捨てて、祥悟の剥き出しになったペニスを、ぱくりと口に咥えた。
「……あっっ、……っんぁ……っ」
祥悟の焦ったような声。突然の刺激から逃れようと捩る腰を無理矢理押さえつけて、ずりりっと一気に奥まで咥え込む。
興奮し過ぎていて、初めて男の象徴を口に含むことに、抵抗なんか全くなかった。
「んあっは……っぁあ……や……っ」
祥悟の手は、こちらのペニスから完全に離れて、シーツをぎゅっと掴み締めている。
往生際悪く、ジタバタと暴れるほっそりとした脚を、力づくで押さえ込み、口に咥えた熱芯にねっとりと舌を絡めた。
子ども相手にムキになって、こんな馬鹿げた行為に及んで、後で死ぬほど後悔するのは目に見えている。
だけど、こうでもしないともう耐えられなかった。これ以上煽られたら、祥悟を無理矢理組み敷いて、嫌がる彼の後ろに自分のものを強引に捩じ込んでしまいそうだ。
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